撮影日記


2008年11月19日(水) 天気:晴ただし風強し

身近な黄葉をさがしてみよう

秋はこうようの季節。
 「こうよう(紅葉)」を広辞苑でひいてみると,「秋に葉の色が紅に変化すること」という意味が紹介されている。「紅葉」には,「こうよう」のほかに「もみじ」と読む場合もある。同じように「もみじ」も調べてみると,「紅葉(こうよう)すること」という意味が最初に載っている。「カエデの別称」というのは,二番目の意味だ。
 「こうよう」というと,「紅葉」という漢字を思い浮かべ,さらに「紅葉」には「カエデの別称」という意味があるせいか,「秋はこうようの季節」と聞くと,まっさきに思い浮かべる光景は,まっ赤に色づいたカエデの葉であろう。

夏の間,美しい緑色だった葉も,秋になると赤や黄に色づいてくるものがある。これが「こうよう」や「もみじ」とよばれるものだ。広辞苑では「もみじ」の漢字表記として,「紅葉」のほかに「黄葉」も示されている。また,「こうよう」には「紅葉」のほかに「黄葉」も載っている。いずれも読みは同じで,あらわす現象も同じものである。ただ,色が「赤」が「黄」かでわけられているということだ。
 「紅葉」の代表的な例としては,「もみじ」の意味にも含まれているカエデがある。ほかに,サクラやマンサクなどの紅葉も美しい。
 一方,「黄葉」としては,やはりイチョウが代表的ではないだろうか。イチョウ並木というものも魅力的だが,1本だけ(あるいは数本)がそびえたっているようなものが,とくに美しく感じられる。

Mamiya Press, Mamiya-sekor 50mm F6.3, EPN

今日のお昼休みは,天満川に沿って下流へ歩いて行った。お散歩のおともは昨日と同じで,初代マミヤプレスに標準レンズMamiya-sekor 90mm F3.5と広角レンズMamiya-sekor 50mm F6.3という組み合わせである。
 横川から早足で10分ほど下流へ向かったところにあるイチョウが,上の写真だ。
 川沿いにあって,遠目にも目立つイチョウである(2002年11月17日の日記を参照)。
 写真界には,「逆光は勝利」という有名な格言?がある。紅葉(黄葉)の撮影をするときにも,それを実感する人は少なくないだろう。葉が透過光になって,美しく輝くようになるのだ。逆光になる北側から撮ろうと思うが,どうも太陽の位置がまずい。中途半端に斜め前方から射しこんでくる。しまった,こういうときこそフードを用意しておくべきだったかと思うが,後悔先に立たず。とりあえず順光になる南側から撮ったものが,上の写真である。
 さすが,Mamiya-sekor 50mm F6.3である。木についている葉だけでなく,足元に落ちている葉まで,1つ1つその姿をくっきりと見せてくれる。

さて,お昼休みはそんなに長くない。早足でも片道10分くらいはかかるのだから,早々に撮影を切り上げなければならない。ときどき風が吹くたびに,黄色い葉が,ちらほら降ってくる。それを撮りたく,標準レンズに交換して風を待つのだが,こうやって待つと,不思議と風が吹かなかったり,風向きが変わったりする。
 もう時間がないので,レンズの作例代わりにシャッターを切ったのが,次の写真。

Mamiya Press, Mamiya-sekor 90mm F3.5, EPN

不思議なことに,カメラを片付けてしまうと,強い風が吹くようになる。だが,もうカメラを出して撮影するような時間はない。風は南側から吹いてくる。舞い落ちる黄色い葉とともに,北への道を急ぐ私であった。

2008年11月15日の日記で紹介した筒賀のイチョウや,昨日の日記で紹介したイチョウも,イチョウ並木のなかの1本ではなく,どちらかというと単独ではえている(植えられている)イチョウである。ほかにも気になるイチョウはいくつかあるし,あちこち歩いていれば,魅力的なイチョウにいろいろ出会えることもあると思う。
 イチョウは,隣どうしの木でも,黄葉の時期がかなりずれることがある。その点は,サクラ(ソメイヨシノ)の開花とは違って,撮影可能な時期がかなり長くなるということもできる。そうはいっても,限られた期間ではなかなかすべてを撮って回ることはできそうにない。


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