撮影日記


2008年11月13日(木) 天気:晴

早く現像してもらいたいから
電車でも撮ろうと思った

ディジタルカメラを使うときのメリットとして,あなたならなにを思い浮かべるだろうか?
 フィルムを長く使ってきた人であれば,ディジタルカメラのメリットもデメリットも,「フィルムを使うとき」とくらべて考えるのではないだろうか。「フィルムと違って現像代を気にしなくてよい」など,コスト面を指摘する人もあるだろうし,「1コマごとに感度の設定を変えられる」など,撮影時のことを指摘する人もあるだろう。私としては,これらのほかに「フィルムだったら全部撮り終えないと現像できない」ということも指摘したい。
 一般的な135フィルム(パトローネ入り35mmフィルム)の場合,主流となるのは「24枚撮り」というフィルムではないだろうか。1本のフィルムに,ライカ判(36mm×24mm)の大きさでおよそ24コマの写真を記録することができる。もちろん,2,3コマ撮っただけで現像してもいいのだが,それはちょっともったいないと感じるわけだ。
 24コマも真剣に撮ろうと思えば,けっこう時間がかかることと思う。「36枚撮り」フィルムであれば,なおさらのこと。調子よく撮り続けているときであれば,フィルムの1本や2本くらい,すぐに消費してしまうこともあるが,あまりよい被写体に出会えないとき,シャッターチャンスが限られているとき,あまり気が乗らないときなどは,なかなかフィルム1本が撮り終わらないものである。

さて,先月,ニコンおもしろレンズ工房「どどっと400」でいろいろ撮ってみたのだが(2008年10月19日の日記を参照),そのときのフィルムがなかなか使い終わらず,現像できないでいた。
 早く現像しなければ,日記に画像が入れられず,公開できないじゃないか(笑)。
 フィルムカウンタは「30」を示している。あと10コマ足らず。なにかちょっとした被写体があれば,すぐに撮りきってしまえそうだ。

そうだ,今日は天気がいいので,すなおにそこらへんの電車でも撮ることにしよう。そう決めた。仕事に行く前に,職場からさほど遠くない可部線三滝駅に立ち寄る。ここは川沿いにあり,朝日が激しく照りつけるのだ。PLフィルタの効果もめいっぱい効かせて,とことん遊んでみよう。

Nikon FM, Ai NIKKOR 50mm F1.8, PL filter, EBX

ただ,時間がないので,あまりゆっくりもしていられない。だから,まだフィルムが撮り終わらない。そこで,お昼休みを利用して,ふたたび電車を撮りに,こんどは太田川放水路に行ってみる。朝と同じく,青い空が広がっていた。

Nikon FM, Ai NIKKOR 28mm F2.8, PL filter, EBX
Nikon FM, Ai NIKKOR 50mm F1.8S, PL filter, EBX

これでようやく,36枚撮りのフィルムを撮り終えた。来週早々に,現像を依頼することにしよう。
 え?撮ったらすぐに現像を依頼するべきだ,って?
 うむ,それはスリランカ,いや正論。ごもっともである。だが,最近,ラボの経営は楽ではないとかなんとか。フィルム1本のために,いちいち集配に来ていただくのも気が引けるというもの。だから最近は,とくに急ぎでないかぎり,何本かまとめて現像を依頼するようにしている。ま,いちいち連絡をするのが面倒だ,という面もあるのだが(笑)。

ところで,4×5判のシートフィルムを使うメリットとして,「大画面による高画質」を指摘する人が多いと思うが,私としては,「1枚撮っただけでも現像を依頼できる」というメリットも指摘しておきたい。フィルム1本を撮り終わらなくてもいいので,結果がそれだけ早く得られるということだ。
 ただ,大ざっぱに考えれば,4×5判のシートフィルム2〜3枚分のコストは,135フィルム36枚撮り1本分のコストに相当する(カラーポジフィルムの場合。もちろん,フィルムの銘柄等によって,もっと差が大きかったり小さかったりすることもあり得る)。ということで,中判フィルム,とくに120ロールフィルムこそ,高画質と経済性を兼ね備えた,もっとも使いやすいフィルムなのだ!と,叫んでおく。

中判カメラの中古品も,機種によってはかなり安くなってきているようである。まだ,中判カメラを使ったことのない人にとって,今がちょうどいい機会になるかも?


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