2008年10月04日(土) 天気:晴
カラーネガフィルムを現像してみる
秋になり,よく晴れた日と雨の日が,交互に訪れるようになった。たまたま休みの日によく晴れた日があたれば,どうしてもカメラを持って,外に出たくなる。また,こんな日は,どんなカメラを使っても,そこそこきれいな画像が得られたりする。だから,おもちゃカメラやジャンクカメラなどの「試運転」には,もってこいなのである。
だからこそ,100円で救出したフジ「パノラマカルディア」(2008年07月31日の日記を参照)と,いただきもののメーカー不詳「パノラマカメラ」を使ってみることにした。ピントがそこそこまともで,光線漏れなどの致命的な欠陥がないかどうかということを確認することが,大きな目的となる。使ったフィルムが,105円で購入したDNPのCENTURIA100であったことは,いうまもでない。
ところが,そういう目的で撮ったフィルムの現像に利用していた,ダイソーのDPE受付サービスが終了してしまっていたのである。100円で現像できることに,大きな意義があったのである。いわゆる「同時プリント0円」サービスの現像料は700円くらいするし,一般的なDPE店で現像のみを依頼しても400円くらいはかかるはずだ。
そんなとき,ずっと以前に購入し,結局,使わないで放置していたこれの存在を思い出した。
LPLカラーネガフィルム現像キット
写真用品のLPLから発売されていた,カラーネガフィルムを現像する薬品のセットである。
ずっと以前に購入していたのだが,「カラー現像は液温管理がシビア」「溶解後の薬品の寿命が短い」などの理由から,それを開封する勇気が出ず,そのまま放置していたものである。その後,ダイソーで100円で現像してもらえるサービスが登場したことから,ますます,これの必要性がなくなっていたものである。
だから,もう,放置していた期間は,10年くらいは経過しているはずだ(箱に貼られていた値札シールには「カメラのドイ」という文字が!!)。この種の薬品の保管は「冷暗所」でおこなうのが原則である。暗室を作る前は暗箱の中に,暗室を作った後はそこに放置していたので,「暗所」という条件はまあ満たしていると思う。しかし,「冷所」という条件は満たされていない。また,同封の説明書によれば,この薬品の保管期間は「開封前1年」という。
だから,性能は低下している。間違いない。(笑)
しかし,「写っているかどうか」を知るだけの目的であれば,まだ使えるのではないだろうか?と,ついにこの薬品を開封する勇気が湧いたのである。ダメでもともとなのだ。
説明書によれば,処理温度はセ氏30〜38度(プラスマイナス2度)とのこと。まだ,あまり寒くないので,30度くらいに保つのは容易であろう。そうだ,夏場におこなえば,さらに30度を保つのは容易だったかもしれない。
「LPLカラーネガフィルム現像キット」は,「発色現像」「漂白」「定着」の工程を経る,「3浴式」というもの。溶解して得られる薬品の量は500mlなので,いつもの現像タンクで35mmフィルムを1本ずつ処理できる。
まず,「発色現像」液を溶解する。これはA液とB液を混合するようになっており,混合した後は,一気に寿命が短くなるとのこと。つぎに「漂白」液を溶解する。最後に「定着」液を溶解するが,これが結晶しており,なかなか溶けない。結晶もかなり残ったので,もしかすると規定よりもずいぶんと薄いものになっているかもしれない。
ともあれ,これらを500mlのPETボトルに入れて蓋をする。ひたひたまで入れて蓋をしたので,酸化も少しは抑えられるんじゃないかと,少し期待する。
左から,発色現像液,漂白液,定着液。 説明書によれば,液温セ氏30度における処理時間は,8分,8分,7分とのこと。
フジ「パノラマカルディア」,メーカー不詳「パノラマカメラ」で撮影したフィルムをベルト式のリールに巻きつけ,いざ,現像開始である。
説明書通りに処理したところ,まあ,なんなくカラー画像が得られた。そうなるように作られているのだから,画像が得られて当然なのだが,はじめてカラーネガフィルムを処理したことと,10年くらい放置していた薬品でも画像が得られたこととで,そこに小さな感動が得られたのも事実である。
こうなると,現像が楽しくなってくるわけだ。
しかし残念なことに,「LPLカラーネガフィルム現像キット」は,すでに製造・販売が終了しているとのこと。現在,入手可能な家庭用のカラーネガフィルム現像液のセットは,「ナニワ・カラーキットN」という2浴式(発色現像と漂白定着の2工程)のものだけらしい。
これも,製造・販売が終了する前に,楽しませていただきたいものだ。
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