撮影日記


2008年08月01日(金) 天気:晴

さらにさらに調子にのって
さらに
ポラロイドカメラを買う

「ブックオフ広島大手町店の地下売り場」では,こんなポラロイドカメラも100円で見つけて保護した。

ポラロイド「637」

1998年ころに発売された,ポラロイド「637」である。
 先日,100円で見つけたポラロイド「Spirit600 CL」(2008年7月22日の日記を参照)と同様の,固定焦点でクローズアップレンズ内蔵の,ポラロイド600シリーズの廉価版カメラである。
 ところで,ポラロイド600シリーズカメラの廉価版は,仕様的には徹底的に手を抜いているように見える。
 たとえば,レンズ。
 ポラロイド600シリーズ初期のポラロイド「660」は,ポラロイド社のカメラに独特な,超音波式オートフォーカス機構をもつシリーズ上位モデルである。取扱説明書を見ると,そのレンズについて「固定前玉レンズと回転移動中間レンズ4枚で構成」と書かれている。ポラロイド「660」は,4枚構成レンズを採用しているということだ。当時の比較的安価なコンパクトカメラでは,3群4枚構成のテッサー型とよばれる構成のレンズを採用していることが多い。テッサー型レンズの多くは,周辺まで収差がよく補正された先鋭なレンズとして知られている。ポラロイド「660」も,それに似たようなレンズを採用して,必要十分な画質を得られるように考えているのであろう。
 ところが,ポラロイド「637」のレンズは,1群1枚構成である。レンズの構成枚数が多ければ多いほど画質がよい,というわけじゃないということは,わかっている。「写ルンです」などは,非球面レンズを採用したり,フィルム面を湾曲させることで,1枚レンズでも十分な画質を得られるようになっている。だが少なくとも,フィルムがカートリッジに収められているポラロイド600シリーズでは,フィルム面を湾曲させることはできないだろう。つまり,1枚構成のレンズで,十分なのか?という疑問がわくわけである。まあ,このタイプのポラロイドカメラの場合,画面中心部付近に数名の顔が写るような場面での使用が多いものと考えれば,もしかすると1枚構成のレンズでも十分なのかもしれない。しかし,仕様を見る限りでは,徹底的に手を抜いているように見えるわけである。

さて,ポラロイド「637」もポラロイド「Spirit600 CL」も,機能的には似たようなカメラである。両者の違いは,そのデザインにある。ポラロイド「Spirit600 CL」は,初期のポラロイド「660」以来の角張ったボディだ。ポラロイド「Spirit600 CL」には三脚ネジ穴がないが,ボディにはネジ穴を開けるべき位置がわかるようになっている。実際,ポラロイド「660」は,その位置に三脚ネジ穴が用意されている。これらのボディは,同じ型から作られているようなものだと考えてもよいだろう。

ポラロイド「660」と「Spirit600 CL」
ポラロイド「660」と「Spirit600 CL」の底面

それに対してポラロイド「637」は,丸みを帯びたボディで,それまでのポラロイド600シリーズカメラとは異なる新しいスタイルになっている。それが,ポラロイド「637」を保護することにした理由の1つともいえるだろう。ちなみに,ポラロイド「637」にも,三脚ネジ穴がない。
 ポラロイドカメラは,フィルムの種類も多いが,カメラの種類も多い。多種のカメラを発売できるのは,共通のボディを使っているからだ,ということだろうか。


← 前のページ もくじ 次のページ →