撮影日記


2008年06月08日(日) 天気:晴のち曇

キミは練乳の甘さに耐えられるか?

広島市内中心部では,この時期に「とうかさん」とよばれる祭がある。はじめてこれを知ったときには,6月10日ころにおこなわれるから「10日(とおか)さん」なのかと思ったものだが(笑),実際には「お稲荷さま」に関係する祭とのことである。なるほど,「稲荷」は「いなり」と読むことが多いだろうが,たしかに「稲」は「とう」と読めるし,「荷」は「か」と読める。社寺における祭礼が,豊作の祈りや感謝にかかわるものが多いことを鑑みれば,このような祭もごくごく自然なことかもしれない。
 祭には,縁日がつきものである。数々の屋台が軒を連ねている。数年前から,それらの屋台に「大阪名物はしまき」というものを見かけるようになったが,大阪市内出身の私は,そんなものを知らん。少なくとも大阪で見たことはない。ま,そんなことはどうでもよい。ただ,「あ!いか焼きだ!」と思って近づいてみると,それは「いか焼き」ではなく,ポンポン焼きだったりする。いや,こんなこともどうでもよい。

さて,この日,視野の隅に,妙な存在感があった。そこに目を向けると,それはコカ・コーラ社の自動販売機である。そして視線は,サンプルが陳列されたその中央付近に引き寄せられていった。そこには,どこかで見覚えのあるデザインの,黄色いPETボトルがあった。そして,それは本来,そこにあってはならないはずのものに思われた。
 そこに鎮座ましましていたものは,「マックスコーヒー」である。

GEORGIA MAX COFFEE-X
この「黄色いボトル」には,妙な存在感があるのだ。

「マックスコーヒー (GEORGIA MAX COFFEE)」は,千葉県や茨城県など,関東地方の一部にしか出回っていないとされる缶コーヒーである。とくに,千葉県での人気が高いと聞く。この春,私ははじめてそれを飲む機会があった(2008年3月23日の日記を参照)。それはウワサどおり,激しく甘いのである。官に記された表示をみると,主成分は「練乳」らしい。独特な甘さの正体は,豊富な練乳なのである。
 そうだ,「マックスコーヒー」は,広島にあってはならないはずなのだ。しかし,そこにあるのは紛れもない「マックスコーヒー」のパッケージである。これは,実際に飲んで確かめるしかない。

ところで,500mlのPETボトル入りドリンクは,自動販売機では150円で売られていることが多いと思う。ところが,「マックスコーヒー」は,他よりも少し高めの160円という価格がつけられている。この商品に対する,メーカーさんの自信のほどがうかがえるというものだ。
 取り出し口から出てきた「マックスコーヒー」をよく見ると「MAX COFFEE-X」と書いてある。名称に,「X」が付加されている。これは,なんらかの「改良」がなされたことをあらわしているに相違ない。ニコン様のカメラの名称を見れば,そのことがよくわかるだろう。たとえば,F90に対するF90Xしかり,D2やD2Hに対するD2Xしかり。商品がドリンクの場合,改良のポイントは「味」である。
 まず,一口,飲んでみた。
 甘い,たしかに,甘い。しかし,銚子で感じたような(2008年3月23日の日記を参照),あの傍若無人な甘さではない。いや,練乳の独特の甘さは,やはり味覚中枢に強烈な パンチを浴びせてくれている。表示を見ても,主成分はやはり練乳だ。そうだ,コーヒーの苦みが,より活かされているのだ。「甘すぎる」という印象を少し抑えるてより多くの人に受け入れられるものとし,商品の全国的な展開を考えているだろうか,などと想像する。
 ともあれ味については,あくまでも今日の私の感想である。そもそも,本物の「マックスコーヒー」は,1度飲んだきりであるから,甘さがとくに強く印象に残っているのかもしれない。しかも,そのときは「あたたかい」コーヒーであったのに対し,今日は「つめたい」コーヒーである。これも,味覚に与える影響は小さくないだろう。「マックスコーヒー」をつねに愛飲されている方にはぜひ,「マックスコーヒー」と「マックスコーヒーX」との味がどのように変わったと感じられたか,お聞かせ願いたい。


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