撮影日記


2008年06月01日(日) 天気:晴のち曇

柳宗理を見に行く

広島市現代美術館で開催されている,「柳宗理〜手から生まれるかたち〜」という展示を見に行った。きっぷをいただいていたのだが,なかなか行く時間を取ることができず,ようやく行くことができたのである。あれ?なんか最近,似たような文章を書いたことがあるような気がする。まあ,いいか(笑)。

画像は,携帯電話機のディジタルカメラ機能による。

柳宗理氏は,日本の工業デザインの発展を担ってきたデザイナーという位置づけにあるということだ。今回の展示のタイトルは,日本語では「柳宗理〜手から生まれるかたち〜」となっているが,英語では「SORI YANAGI [ANONYMOUS DESIGN]」となっている。「アノニマス」を辞書でひくと,「匿名の」「無名の」「作者不明の」という意味が出てくる。展示会場の説明文等によれば,柳宗理氏は,古くから伝わる,無名の人による実用的な工芸品にある無駄のない美しさに強く影響され,工業製品のデザインの研究をすすめたとされているようだ。展示会場にあった説明冊子中の「民藝とペリアンと柳宗理」(土田真紀)によれば,タイトルの「ANONYMOUS」に含まれているものは,「つくり手の意識や作為の外にある様々な条件や制約こそが個人の意識を超えた本当の美を生む」ということのようである。
 柳宗理氏の作品は,街のなかの標識やベンチ,ごみ箱のほか,ミシン,台所用品,トラクターなど幅広い。さて,日本を代表する工芸品というか工業製品といえば,なにがあるか。そうだ,カメラだ。数多い展示の中に,残念ながら,柳宗理氏がデザインにかかわったとされるカメラは,見あたらなかった。ただ,スライドショーで紹介される作品のなかに,ニッカカメラのディスプレイ台が見られたのみである。カメラという製品のデザインには,かかわる機会がなかったのかもしれない。

以前,横川あたりから広島市現代美術館に行くルートとして,大きく分けて2つあることを紹介した(2008年1月27日の日記を参照)。広島電鉄の路面電車で「比治山下」まで乗って行くルートと,「23-1 比治山トンネル経由 大学病院」行きの広島バスで「段原中央」まで乗って行くルートである。しかし,今日はJRで広島駅まで行き,広島駅から歩いて広島市現代美術館に行くことにした。それは,しばらく立ち寄っていない,的場町の中古カメラ店を覗くためである(笑)。いま,興味の対象は,ZENZA BRONICA ETRS用のオプション品,あるいはマミヤRB67あるいはRZ67あたりの「格安品」である(笑)。残念ながら,カメラのミッキーの店頭のジャンクレンズや,日進堂カメラの奥にあったジャンクカメラなど,少し気になるものは見られたものの,とくに「これは!」というカメラ等には出会えなかった。
 ところで,閉店したらしいと聞いた大洲カメラは,ただ静かにシャッターが降りたままである。もしかしたら貼ってあったかもしれない「閉店のお知らせ」のようなものも,すでになくなっているのだろう。閉店したらしいという話を聞いていなければ,いつもの日曜日のように「本日定休日」としか思わなかったかもしれない。


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