撮影日記


2008年03月07日(金) 天気:くもり時々はれ一時あめ

リコーフレックスVIIも
ふたたび分解する

2008年2月29日の日記で紹介した「RICOHFLEX VIIs」は,2007年8月16日の日記に書いたように,友人から「RICOHFLEX VII」とあわせていただいたものだ。このRICOHFLEX VIIは,当時の高級なシャッターである「SEIKOSHA RAPID」を搭載していることが特徴である。セイコー・ラピッドは,1秒から1/500秒までの幅広い範囲をカバーしているので,現在においても十分に実用的なシャッターである。

ところが,このカメラの最大の特徴である,そのシャッターの動きがよくない。具体的には,露光時間を1秒に設定したとき,シャッターの動作が途中で止まることがある。こういうときには,動作部に軽く注油すれば,動くようになるはずだ。ただし,過度の注油は,後々に余分な油が望ましくないところに流れ出てくるトラブルにつながる懸念を生じる。注油よりもよい方法があるのかもしれないが,私自身の限定された経験の中では,重大なトラブルにつながっていない(少なくともそれに気がついていない)ので,今回も注油をおこなってみることにする。
 さっそく,シャッター周囲の分解にとりかかることにした。

テイクレンズ周囲のギアになっている枠は,3つのネジを緩めれば外すことができる。テイクレンズはネジこまれているだけなので,回せばそのまま外すことができる。テイクレンズを外した後,上の画像に見える小さな円板を半回転させると,シャッターの前の板が自由に動くようになる。その,切り欠きをあわせれば,この板を外せて,シャッターのメカニズムに届くようになる。

シャッターの動きを観察すると,カメラに向かって上の方にスプリングやギアがあり,右下の方にシャッターをチャージする際のストッパーがあることがわかる。それらは,レンズの周囲のリング状の部品によって,動きが伝達され制御されている。

ギアやスプリングの方を観察しても,そこに錆びたようすは見られず,顕著な汚れもない。一方,動きが伝達されるリング状の部品は汚れており,ふだんから擦れているように感じられる。おそらく,このリング状の部品とレンズ鏡胴にあたる部分が接する面に注油をおこなえば,症状が改善されるものと予想した。
 先にも書いたように,注油といっても,過度な注油は避けた方がよいと思われる。ここでは,シリコングリスをごく微量つけた紙で,このリング状の部品とレンズ鏡胴にあたる部分を掃除するように拭くことでおこなった。
 そのまま,つまようじや綿棒等で余分な油分を取り去るように掃除を続けながら,シャッターを何度も動作させることで,必要最小限の油分が行きわたることになると考えている。

シャッターがスムースに動くようになったら,レンズを組み立てる。このあたりのやり方は,先日のRICOHFLEX VIIsと同様だ。まず,ビューレンズを無限遠にあわせた状態で,∞マークが指標にあうように枠を取りつけ,それをパーマセルテープで固定する。
 テイクレンズを無限遠にあわせるときは,別の二眼レフカメラから拝借したピントグラスをフィルム面に取りつけておこなう。そして,テイクレンズの枠を取りつければ,完成である。

今回紹介した注油の件は,これがベストな方法なのかどうかはよく知らない。少なくとも,過度な注油をおこなうと,なんらかの重大なトラブルへつながりかねない。もし同様な対応を考えておられる方があれば,そのあたりは慎重に,あくまでも自己の責任においておこなっていただきたい。


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