撮影日記


2007年11月25日(日) 天気:はれ

身近な紅葉をさがしに行こう

今年の夏は暑かった。それに続く秋も,暑かった。だから,紅葉はあまり期待できないと思っていた。ここ数日,急に寒くなってきた。まあ,もう11月も終わろうとしているのだから,それは当然か。寒さが急激に進行したせいか,広島市内中心部付近の紅葉は,一気にに進行し,しかも例年よりも美しく感じられるようになっている。こんな日は,広島市内中心部付近の紅葉を楽しんでみよう。
 どこで紅葉が美しいのか,具体的な情報はもっていない。とくに目的を決めず,おもに川沿いを歩いてみようと思うので,小型カメラだけをもっていくことにした。ボディはニコンF3のみとし,レンズは望遠,標準,広角の3本に限定しようと思う。まず,手もちで手軽に使える望遠レンズとして,Ai NIKKOR 135mm F2.8Sを選んだ。市内中心部付近だと,背景に高層建築が入ってくる可能性が高い。広角レンズとしては,シフトアオリが可能なPC-NIKKOR 35mm F3.5を選ぶことにした。35mmだと,パースペクティブが極端でないのも好都合だ。最後に標準レンズとして,ここしばらく使っていなかったように思う,Ai Micro-NIKKOR 55mm F2.8Sを持ち出すことにした。今日は天気がよくて光量が不足することもないだろうし,いざというときに寄ることができるメリットは大きいはずだ。

今日は,広島駅から歩きはじめてみた。京橋川に沿って下ってみる。オープンカフェは,夜景として撮るのがよさそうだ。電車通りをさらに下ったところは,赤,オレンジ,緑と,さまざまな色がそろっている。まずはここで撮ってみよう。稲荷大橋を渡る電車をからめて撮れば,広島市内らしさのようなものが出るかもしれない。それをより強調するために,超低床車「GREEN MOVER MAX」の通過を待って,シャッターを切った。この場所は,あらためて中判あるいは大判カメラを用意して撮ってみたい(来年以降のことになるだろうが・・・)。

Nikon F3, Ai NIKKOR 135mm F2.8S, EB
Nikon F3, PC-NIKKOR 35mm F3.5, EB

平和公園まで来ると,ここも紅葉はいい感じに進行している。今日は時間に余裕があるので,このまま工兵橋まで足を伸ばしてみようという気になった。
 この春,サクラの花を求めて歩いたPop'La通りでは,サクラの紅葉が進んでいる。これはずっと三篠橋を越えても続いている。広島HOMEテレビの裏手あたりでは,ちょうど太陽に透かした紅葉を楽しめる状態になっている。また,緑の地面にもほどよく落葉があり,美しい空間ができあがっていた。

Nikon F3, Ai Micro-NIKKOR 55mm F2.8S, EB
Nikon F3, PC-NIKKOR 35mm F3.5, EB

これから,昼間の時間がもっとも短い季節になる。工兵橋にたどり着いたときには,太陽はかなり傾いてきていた。
 工兵橋は,広島市内中心部付近に残る,最後の,木の床板をもつつり橋である。すぐ隣に祇園新道の新工兵橋があり,そこにはゆとりのある歩道も完備されている。だから,もはや存在価値はないともいえるはずなのに工兵橋はまだ,使われている。これは歴史的価値があるものとして,これからもずっと残しておいてもらいたいものである。そもそも太田川にある木の床板をもつつり橋というと,工兵橋のほかには,中流域の宇賀大橋しかなかったのではないだろうか。工兵橋がいかに貴重な存在であるか,思い知るべきであろう。
 気分としてはまだまだ歩きたいのだが,太陽は高層アパートの陰にすっかり入りこんでしまったので,今日の紅葉狩りはここまで。


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