撮影日記


2007年10月27日(土) 天気:暴風雨

台風のさなかにカメラを買う

東京は朝から暴風雨。台風が接近しつつあるのだ。直撃される恐れはないものの,こんな日に外出などしたくない。しかし,今日は仕事の関係で行かねばならないところがある。そのために昨日から東京へ来ているのだから・・・・・。
 夕方,仕事関係の用事が片付いた後,いつもたいへんお世話になっている友人の1人と新宿駅で待ち合わせ,カメラ店巡りにでかけることにしていた。新宿駅から近い2〜3件に寄ることができるんじゃないか?とのことだったが,外に出ると,暴風雨はさらに激しさを増している。とにもかくにも,まずは新宿の「カメラのきむら」を目指すことになった。

新宿の「カメラのきむら」に立ち寄るのは,はじめてである。
 店内の商品は多く,かなりゆっくりと楽しめそうな期待がある。さっそく入口付近で目に入ったのは,7350円のトヨフィールドであった。グレーのボディの,おそらく初期型(1960年ころ)のものではないかと思う。この種のいわゆるフィールドカメラには大いに魅力を感じるのだが,グレーのボディは必要以上に目立ちそうなことと,やはり持ち出すなら木製組立暗箱(タチハラフィルスタンドなど)の方が軽いと思うので,結局使うことはないだろうと考え,購入は見送ることにした。いや,この価格であれば,コレクション用として入手してもよかったのかもしれない。
 入口付近のショーケースではこのほかに,105mm F3.5レンズ付きのマミヤC3が10500円だというものにも,たいへん魅力を感じた。レンズにカビというおまけがついているものの,見かけることの多いC2やC22ではなく,C3というところが大きなポイントになる。ともあれこのあたりを気にしておいて,奥のショーケースも覗いてみることにした。
 奥のショーケースには,各社の35mm判一眼レフカメラが並べられているのが見える。フジカAXシリーズのカメラが安価にあれば,「此所で逢ったが百年目」というわけではないが,必ず連れて帰ってやろう。そして,昨日,「フジヤカメラ」で入手した,タムロンアダプトール2マウントを活用してやるのだ!・・・・・・しかし,マミヤZEもコニカも,ローライフレックスSL35Eもあったのに,フジカAXの姿は1台も見つけられなかったのである。

このお店のショーケースは,それだけでは終わらない。
 その奥のショーケースには,ボックスカメラやフォールディングカメラ,国産二眼レフカメラにはじまり,各社のレンズシャッターカメラが所狭しと並んでいる。そんなレンズシャッターカメラの1つに目が引きつけられた。

そのカメラは小ぶりで美しい姿をしている。その素性はいまひとつよくわからないのだが,「DACORA dignette」と,そのカメラの前面に書いてある。露出計は内蔵されておらず,シャッター速度はBと1/30〜1/250秒,ピント調整は目測式のシンプルなカメラだ。その仕様から,おそらく1960年ころのカメラであろうとは想像できる。撮影レンズがほぼ左右中央に位置しており,露出計や距離計がないことからファインダーが撮影レンズの真上にあって左右対称なデザインを強調しているあたりが,その姿に目がとまった理由になるだろうか。
 このカメラが気になった理由は,その撮影レンズにもある。SteinheilのCassar 45mm F2.8だ。このレンズの素性もよく知らないのだが,ときどき変なカメラについているのを見かけるので,名前だけは以前から気になっていたレンズなのである。

こんなカメラが5250円というのは,少々高い。あと2000円ほど足せば,トヨフィールドが買えるのである。さらに3000円ほど足せば,105mm F3.5レンズ(カビあり)のついたマミヤC3が買えるのである。
 しかし結局。
 DACORA「dignette」を買うことにした。Cassarレンズを1つくらい体験してみたかったこともあるのだが,やはりカメラ前面に書かれていた「MADE IN WESTERN GERMANY」という文字列に対してお金を払う気になった,ということのようである。いったい私は,どこまで落ちぶれていくのだろうか?(笑)。

(笑うためには,先に,2007年8月15日の日記と,2007年10月22日の日記を読んでおいた方がいいかもしれない。無駄な時間を使わせてしまって,申し訳ないのだが・・・。)


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