撮影日記


2007年09月17日(月) 天気:曇ときどき大雨

「日本航空輸送株式会社」って?

今日は,カレンダー上の3連休の最終日である。しかし,台風が日本の近くを通過するせいもあってか,天気はよろしくない。突然,晴れ間が見えたりしたかと思うと,突然の豪雨だったりする。
 だから今日は,久しぶりに的場町の中古カメラ店を巡回してみることにした。今年になってから2回目,およそ3か月ぶりのことである。
 的場町の中古カメラ店を巡回するとき,広島駅に近い方から順に訪れるようにすることが多い。すると,最初に覗くお店は「マスヤカメラ」ということになる。そして,次は「カメラのミッキー」を覗き,「大洲カメラ」という順序で訪れる。

「大洲カメラ」にはいつも,非常に気になるものと出会えるような期待感がある。今回も,店頭のショーウィンドウに非常に気になるカメラを見ることができた。ゲルツのハンドカメラである。ただし,5万円近い価格は,急に思いつきでポンと出せるようなものではない。
 それにつられるように店内に入ると,足もとにあるダンボール箱のなかに「引き伸ばしメーター」がころがっているのに気がついた。1500円である。よく見ると,その箱にはほかにも引き伸ばし用具がいろいろと入っている。

「一式,手放された方がいらしたんですか。」

「ええ,これもそうですよ。」

見ると,カウンターの上には,フジの引き伸ばし機がどどーんと存在していた。

「最近はねえ,こういうの使う人がいなくなりましたねえ。」

と,店主がさらに話しかけてくる。暗室用品関係の話が途切れたところで「気になっていた」ことを言ってみた。

「いいのが入ってますね,あのゲルツ。」

すると店主は,取りあえず見てくれとばかりに,店主はそれを出してきた。ゲルツの「アンゴー」というハンドカメラである。「アンゴー」は,わりとメジャーな機種のようであるが,ここにあったカメラは外見の状態が非常によさそうである。しかし,残念ながらシャッター幕がダメになっているとのことで,そのままでは使用できない。ピントグラスに写る景色は,きれいな写真が撮れそうな予感を与えてくれるのだが,このサイズ(手札判か?)のフィルムや乾板を用意するのは,現在は容易ではないだろう。
 さらに店主は,そのカメラに付属しているという乾板運搬用のケースを出してきた。そのケースも,なかなかにカッコイイ。さらにそのケースには,なにやらステッカーが貼られていた。見ると,クラシカルな飛行機の絵とともに,このような文字が書かれている。

 社 会 式 株 送 輸 空 航 本 日

「日本航空輸送株式会社」というと,昭和初期の民間航空会社の名称である。ということは,このカメラは,その会社の備品として,たとえば空撮などの業務に使用されていたものであると考えられる。これは,たいへん気になる商品であるが,やはりその場でポンと出せる価格ではない。これは私ではなく,航空機や航空会社の変遷等に興味・関心の高い方に保護していただくのがよいかもしれない・・・・と,思うことにしよう(笑)。さぁ,だれか勇者はいないか?


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