撮影日記


2007年09月01日(土) 天気:雨のち晴

リコーフレックスVIIの清掃

「リコーフレックスVIIs型」と同時にいただいた「リコーフレックスVII型」には,目立ったトラブルは見られない。ただし,ビューレンズにもテイクレンズにも,広くカビが見られるので,それを清掃する必要はありそうだ。
 レンズの軽いカビに対しては,いつもハンドソープを薄めた液を利用して清掃をしている。具体的には,135フィルムのフィルムケース(富士フイルムのものが,密閉がよさそうなので適当だと思う)に半分くらいの水を入れ,そこに1〜2滴のハンドソープを加えてよく混ぜた液を利用している。これを綿棒に取って拭けば,カビは拭きとられるように見える。あとはレンズリキッド等を使用して,きれいに拭きとればだいたい使えるようになるはずだ(跡が残るほどのカビには,さすがに拭きとるだけでは十分ではないだろうが)。もしかするとこの方法では,コーティング等に悪い影響があるかもしれない(そのあたりは未確認だ)。「カビが生じたレンズに対するダメでもともと」な方法であるため,日常的なレンズのメンテナンスとしては,たぶん,よろしくない影響があるのではないだろうか。そのあたりは,ご注意いただきたい。
 今回の「リコーフレックスVII型」の場合,ビューレンズ,テイクレンズとも,そのままでは撮影に支障があると思われる量のカビだったため,迷わずこの方法で清掃することにしたのである。
 レンズをはずして清掃した後は,前回(2007年8月31日)の日記で紹介した「リコーフレックスVIIs型」のケースと同様に,無限遠のピントを確認しながら,テイクレンズとビューレンズを組み立てることになる。

さて,「リコーフレックスVII型」「リコーフレックスVIIs型」は,たとえばローライフレックスなどほかの二眼レフカメラにくらべて,少しコンパクトに見える。画面サイズは同じ6×6判で,テイクレンズの焦点距離は8cmだから,カメラの横幅や奥行きは変わらないはずだ。なにが小さく見える要因かといえば,それは背が低いことである。たとえば,同じ廉価版前玉回転式二眼レフカメラ「ビューティフレックスV型」と並べてみよう。

ビューティフレックスV型は,リコーフレックスVII型よりも背が高い。

これらのリコーフレックスを使おうと思ったとき,最初に驚かされることは,フィルムの装填に関してであろう。中枠を取り出して,そこにフィルムを装填する形になっているのである。ちょうど,戦前に見られた廉価版二眼レフカメラ(たとえばVitaflexなど)と同じようなしくみがそこにある。このようなしくみによって,カメラの背が低くなると同時に,カメラのボディが「平板の組み合わせ」で構成できるようになるというメリットがありそうだ。フィルムの供給側の部分に,その差を見ることができるだろう。上が「ビューティフレックスV型」だが,この部分が曲面で構成されていることがわかる。

ビューティフレックスVの,供給側のフィルムがはいる場所。
リコーフレックスVII型は,平面だけから構成される。

ボディのこのようなしくみが,「低価格」というリコーフレックスの大きな特徴を支える要因の1つではないだろうか。


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