撮影日記


2007年08月29日(水) 天気:曇

水平環

昨日のお昼休みのことである。
 「これは天変地異の前触れか?」などという軽口が飛び交っていたものである。南の空に,不思議な色の雲が見えていたのだ。雲のすきまが,虹のように連続的に色が変化して見えていたのである。
 「わはは,それは神の怒りである。その証拠に,今夜,神が月を隠してしまうだろう。」などという軽口も飛び出す状況である。なんという,すばらしいタイミングで月食が起こるのだろう(笑)。

しかし,これはどういう現象なのだろうか。直前に激しい雨が降っていたから,これは虹の一種なのかもしれない。しかし,虹は通常,太陽を背にした方向に見えるものだ。この不思議な色の雲は,南の空に見えているから,通常の虹とは異なるものであろう。低く見えている雲よりも上空に,虹ができるような微小な水滴があり,雲に反射した日光が虹を形成するために,太陽の見える方向の空に見えているのではないかと想像した。
 あとで調べてみると,この現象は「水平環」とよばれるらしい。

CONTAX RTS, Tessar T* 45mm F2.8, EBX

たまたま昨日は,Elitechromeを装填した状態のCONTAX RTSをもっていたので,それで撮ってみたのが上の画像である。色の変化が微妙なのでわかりにくいが,中央よりやや右側が青緑色に,その左側が赤色に,わずかに色づいていることがわかるだろうか。
 ここ数日,モノクロフィルムを装填したNikon EMを持ち歩いていたのだが,昨日だけは,CONTAX RTSを持っていたのである。これは,神の思し召しでも悪魔の誘惑でもなんでもなく,土曜日に三段峡で撮ったカラーポジの現像が仕上がる予定日であり,それを配達に来てくれたときに,このElitechromeを現像に出そうと考えていたからである。
 残り数コマのElitechromeは,この不思議な色の空を撮るにはちょうどよいものであった。


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