撮影日記


2007年08月01日(水) 天気:はれ

ピンホール・パノラマ写真

昨年末に購入したピンホールカメラの試し撮りをようやくおこなった。

学研の「大人の科学マガジンvol.14」付録の,ステレオ・ピンホールカメラである。このカメラには,3つのピンホールがある。内部の仕切りを出して,左右のピンホールを利用すると,ライカ判のステレオ写真を撮ることができる。内部の仕切りをたたんで,中央のピンホールを利用すると,ライカ判2コマ分のパノラマ写真を撮ることができるという,おもしろい機能をもっている。
 ただし,ファインダーはいわゆるスポーツファインダーになっており,厳密なフレーミングを考えることはできない。撮りたいものを中心付近に位置させるための目安として使えるのみで,どこまでの範囲が写るのかは,何度も撮影して経験を重ねていかなければ把握できないだろう。
 ピンホールの口径はきわめて小さく,F値はステレオ撮影時で128,パノラマ撮影時で180くらいになっているようだ。そのため,露出についても,何度か撮影を重ねて経験を重ねていく必要があるだろう。

今回は,標準的なデータとして冊子に示されているパノラマ撮影時のF180を基準として撮影した。このときの明るさは,感度100のフィルムを使用したときで,1/250秒,F11くらいである。したがって1/2秒くらいの露光を与えるとプリント可能な像が得られるようである。なお,ややオーバー気味ではあるが1〜2秒の露光を与えた。このカメラのシャッターでは,1秒よりも短い露光を与えるのは,容易ではない。

1sec, JX100

ピンホールカメラに特有の,ぼんやりした像ではあるが,ライカ判2コマ分のワイドな画面は,ふだん見慣れないだけに新鮮である。しかし,これをプリントしたいときはどうすればよいのだろうか。ふつうのDPE店で受けつけてもらえるものだろうか。受けつけてもらえたとしても,特殊なサイズということで,高価なものになってしまうのではないだろうか。となると,多少クォリティが落ちても,家庭用スキャナでパーソナルコンピュータにとりこんで,そのデータをデジカメプリントサービスなどを利用して出力するのがお手軽という結果になるのかもしれない。
 ところで,このようなパノラマ撮影をした場合,周辺減光も甚だしいようである。その点も考慮した構図を考える必要があるだろう。たとえば,縦位置で撮れば,空の上の方や足元が適度に暗く落ちこんだりするので,画面の端をあまり意識しなくて済むようになるのかもしれない。
 あとは,ピンホールカメラ特有のぼんやりとした像のことも含めて考えれば,夜景を撮るのもおもしろそうである。夜景の場合であれば,さらに,撮影を繰り返して経験を重ねていく必要があるだろう。


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