2007年06月30日(土) 天気:曇
EOS10で撮る
せっかく使える状態にあるのだから,EOS10も使ってみなければならないだろう。これは,いわゆるフラッグシップ機ではないが,そういう「超高級機」以外のラインアップのなかでは,当時最上級モデルだったカメラである。使わなければ,バチがあたるというものだ。ただ,レンズはセット販売されていたEF35mm-135mm F4-5.6USMという廉価モデルしかもっていない。そこはご容赦を。
1985年のミノルタ「α-7000」の後,各社からAFシステム一眼レフカメラが発売されるようになった。それらが上級モデルや廉価モデルなどのラインアップをそろえると,AF性能などにはまだまだ改良の余地があったりしたわけで,各社ともじきに次のラインアップを発表することになる。EOS10というEOSとしては2つめのシリーズが発売された1990年であれば,ミノルタからはα-7700iにはじまる2つめのシリーズが発売されていた。ニコンでは最初のシリーズにおける上級モデルF-801と廉価モデルF-401の間に位置するF-601が発売された年で,少しラインアップの充実が遅れているような印象も受ける。
ともあれ,キヤノンEOS10と比較対象になりそうな同時代のカメラとしては,ミノルタα-8700i,ニコンF-801があげられるわけだ。さっそくだが,まずは単純にスペックを比較してみよう。
Canon EOS10,MINOLTA α-8700i,Nikon F-801
| EOS10 | α-8700i | F-801 |
発売年 | 1990年 | 1990年 | 1988年 |
価格 | メーカー希望小売価格 90000円 | メーカー希望小売価格 88000円 | メーカー希望小売価格 95000円 |
電源 | 2CR5 1本 | 2CR5 1本 | 単3乾電池 4本 |
シャッター速度 | 30〜1/4000,X=1/125 | 30〜1/8000,X=1/200 | 30〜1/8000(無段階),X=1/250 |
連写 | 5コマ/秒 | 3コマ/秒 | 3.3コマ/秒 |
露出計 | 8分割評価測光,中央部部分測光 | 多分割評価測光(AF情報と連動),中央部重点平均測光,スポット測光 | 5分割評価測光,中央部重点測光 |
AF | 3点測距(任意選択可能) | 多点測距(ワイドフォーカスエリア時) | 中央部1点測距 |
その他 | フラッシュ内蔵,インターバルタイマー撮影,多重露出,アートコードプログラム | 多重露出,インテリジェントカードで機能拡張 | 多重露出,マルチコントロールバックで機能拡張 |
これだけを見れば,F-801はやはり古さを感じるといえばいいだろうか。シャッター速度が最高1/8000秒でフラッシュ同調速度が1/250秒であることを除けば,他の2機種,とくにEOS10にくらべて,あきらかに見劣りのするスペックである。そうしてみた場合,EOS10の大きな魅力としては3点測距というAF性能が注目されるだろう。
ということで,早速,EOS10を持ち出して適当に撮ってみることにしたのである。EF35-135mm F4-5.6USMは,EOSシステムの大きな特徴であった,AFからMFへスムースに移行のできるレンズである。しかしここはあえて,AFのみで使ってみよう。
EOS10, EF35-135mm F4-5.6USM, JX100
このような奥行きのある被写体において,3点測距の効果を確かめてみた。たしかに,この場合では中央よりも下側に位置する測距点においてピントがあってくれる。ただし,1発でそこを測距点であると認識してくれたわけではない。何度かシャッターレリーズボタンを半押しし,そこを測距点として認識したことを確認(測距点が一瞬赤く光るので確認できる)したうえでの撮影となるのである。
そして,どうにも反応がにぶい気がするのである。同時代のα-8700やより古いF-801にくらべても,反応が遅く感じる。それは,レンズの動作が静かだからということが影響しているのかもしれない。同じくらいの速さで反応していれば,動作音のある方が,機械がちゃんと動いていることを認識できるというものだ。あとは,付属のこのレンズが「暗い」ことが影響しているかもしれない。
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