撮影日記


2007年06月10日(日) 天気:風強く,晴れたり曇ったり

マミヤシックス・オートアップで撮る

現在,小型カメラの主流が「一眼レフ」であることは,疑うまでもないだろう。「二眼レフ」カメラは,ファインダーに像を結ぶためのレンズと,フィルムに像を結ぶための「2つ」のレンズがあることから,そう呼ばれる。それに対して「一眼レフ」カメラは,1つのレンズを,ファインダーに像を結ぶためにも,フィルムに像を結ぶためにも使用する。それは,ミラーを動かすことによって,切り替えられる。ハーフミラーを使って「ミラーを動かす」という動作をしない一眼レフカメラも存在するが,それは特殊な例であり,ミラーを使って光をファインダーとフィルムにそれぞれ導くということには変わりない。
 一眼レフではないカメラ,たとえば二眼レフカメラやビューファインダーカメラのようにファインダーに像を結ぶレンズとフィルムに像を結ぶレンズが別々にあるカメラでは,ファインダーで見える範囲と,実際にフィルムに写る範囲とが完全には一致しない。その差(パララックス)は,カメラと被写体の距離が近くなるほど,顕著になる。

一眼レフカメラの特徴は,「ファインダーに写る像」と「フィルムに写る像」がほぼ一致することである。これにより,交換レンズや絞りの効果を確認しやすく,写る範囲やピントの位置が確認できるという大きな特徴につながる。これは,とくに接写の際に効果が大きい。
 このようなすぐれた特長があるものの,初期の一眼レフカメラには,「ミラーが動作することによる像の消失」「レンズを絞るとファインダーが暗くなる」という重大な「欠点」があり,超望遠レンズによる撮影や接写など,「特殊な撮影」に使うためのカメラであるととらえる人も多かったようだ。そのころは,レンズのピント調整に連動した距離計をもつビューファインダー式のカメラが,主流だったのである。

ビューファインダー式カメラは,近接撮影をとくに苦手とする。たとえば,パララックスの問題がある。また,距離計はたいてい,近距離側は1mくらいまでしか計測できない。ビューファインダー式カメラでは,一眼レフカメラでマイクロレンズを使ったような接写どころか,標準レンズの最短撮影距離である0.5m程度の距離にある被写体も撮影できないのである。
 6×6判スプリングカメラとして分類される「マミヤシックス」も接写は苦手で,最短撮影距離は約1mである。ところが,ここに「オートアップ」という専用のクローズアップレンズを取り付けることによって,0.5mまでの近接撮影が可能になる。これは,撮影レンズにクローズアップレンズを取り付けると同時に,距離計を補正するレンズがファインダーの前に位置するようになっているのである。

マミヤシックスKII型に,オートアップを取り付けた。

ちなみに,このオートアップを購入したのはおよそ2年前である(2005年8月28日の日記を参照)。ようやく試用する気になったのであった(笑)。さてこれによって,0.5mまでの近接撮影ができるようになるわけだが,パララックスは補正されず,写る範囲を正確に知ることはできない。一眼レフの「重大な欠点」をカバーする,クイックリターンミラーや自動絞りが実用化するにしたがい,一眼レフが小型カメラの主流になっていったのは当然のことであろう。

マミヤシックスKIIの最短撮影距離付近で撮影。
Mamiya6 K2, SEKOR T 7.5cm F3.5 (1/100sec, F11), E100VS
マミヤシックスKIIにオートアップを取り付けて,最短撮影距離付近で撮影。
Mamiya6 K2 + AUTO-UP, SEKOR T 7.5cm F3.5 (1/100sec, F11), E100VS

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