撮影日記


2007年01月17日(水) 天気:雨のち曇

マミヤプレススーパー23は
ほんとうにグレートなカメラだよ(2)

「マミヤプレススーパー23」を入手したからには,さっそく「アオリ」撮影を試してみたい。バックチルトは,ピントがあう面のコントロールよりも,被写体のゆがみの補正に使われるのが一般的かと思うが,今日はピントがあう面のコントロールに使ってみたい。
 平和記念公園から,電車どおりを西に少し歩くと,歩道橋がある。この上から,本川町電停に停車する電車の方向幕のところだけにピントをあわせた状態で撮ってみようと考えた。ここは,夏の午後であれば,正面に日光があたるのだが,この時期ではどうしても影になる部分が多い。もっとも,夏にここに立っていることは,かなり過酷であることは忘れてはいけない。
 ところで,「マミヤプレススーパー23」でアオリ機能を使うとき,フィルムホルダの位置が,通常よりも数cm後に下がることになる。そうすると,そのままでは無限遠にピントがこない。そのため,標準レンズ「マミヤセコール 100mm F3.5」には,沈胴機能が用意されている。鏡胴を回して押しこめば,鏡胴が短くなるわけで,アオリ機能を使うときにも無限遠にピントをこさせることが可能になるのだ。もちろん,そのときには,距離計は連動しない。ピントグラスを使ってのピント調整が必須になる。

左:通常の状態/右:沈胴状態

なお,100mmレンズであっても,F2.8の方には,この沈胴機能はない。また,100mm F3.5レンズであっても,最終モデル100mm F3.5Eというレンズでは,沈胴機能は省略されている。
 さて,紙屋町方面からの電車は,たいてい,この本川町電停で信号にひっかかる。信号にひっかかった瞬間を利用して,ピントやアオリを調整する。ほぼ信号がかわるごとに電車がやってくる状態だから,こういうことも可能なわけで,もしこれが,1時間に1本しか電車がこない,という場所であれば,こんなのんびりした撮り方はできないだろう。
 結果であるが,ピントを電車の方向幕のラインに合わせることはできたのだが,この日はあまりにも天気がよく,どうしてもF11くらいまで絞らねばならない状態であった。そのため,被写界深度が必要以上に深くなってしまい,ボケが目立たなくなってしまったのである。もっとも,このレンズは,F11くらいで使うのがもっとも「おいしい」ことはたしかなのだが。

Mamiya Press SUPER23, Mamiya-sekor 100mm F3.5, EPN

また,バックチルトだけというアオリ機能では,どうしても制約が大きい。こういう場面では,フロントをフォールして,それからフロントチルトをおこなうと,すなおにできたような気がする。また,アオリ量が十分に確保できれば,F11くらいまで絞っても,浅い被写界深度を得ることができたであろう。とはいえ,トヨビューとロールフィルムホルダをここまで運んでくるのは,現実的ではない(と思いたい)。お手軽にアオリ機能が得られるという点で,やはり「マミヤプレススーパー23」は,すばらしい。
 この日は,この歩道橋上での撮影が済んだ後,平和記念公園に戻り,雁木タクシーに乗ったのだった。
 雁木タクシーの船上では,距離計連動ファインダーを利用して,手持ちで撮影をおこなった。ちょうど見上げれば,鳥が群れをなしている。それを手持ちでパチっと撮る。アオリ撮影もできれば,こういうスナップ撮影もできる,「マミヤプレススーパー23」は,ほんとうにグレートなカメラだよ。

こんな快晴の日は,EPNの透明感がぴったりだ。
Mamiya Press SUPER23, Mamiya-sekor 100mm F3.5, EPN
上の画像の一部分を拡大。鳥の姿が確認できるだろう。
大きなフォーマットの魅力を感じる瞬間だ。
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