撮影日記


2007年01月16日(火) 天気:雨

マミヤプレススーパー23は
ほんとうにグレートなカメラだよ(1)

私が主に使うカメラの1つに「マミヤユニバーサルプレス」がある。このカメラは,距離計連動式のファインダーをもつ,6×9判のカメラである。特徴としては,バック部分を交換して使うオプション品が豊富であることがあげられる。
 このカメラでは,120ないし220のロールフィルムを使用するロールフィルムホルダを使うことがもっとも一般的であろう。そのロールフィルムホルダには,6×9判,6×7判,6×9・6×6・6×4.5判兼用のものなど数種類が用意されている(これは,ほかのマミヤプレスとも共通である)。それに加えて,グラフレックス社規格のグラフロックバックを使うためのアダプタや,ポラロイドフィルムを使うためのフィルムバック,接写のためのスペーサーなどが用意されている。
 距離計連動式のファインダーをもつという意味では,「マミヤプレス」はどちらかというと,手持ちでスナップ撮影をするのに適した形のカメラだといえるだろう。しかし,フィルムバックのかわりにピントグラスを取りつけて,ビューカメラのように精密なフレーミングやピント調整をおこなうことも可能である。精密な撮影をしたいときにも,機動性を重視した撮影をしたいときにも,どちらにも対応できるという意味で,「マミヤプレス」は万能なカメラだといえるだろう。ただし,「自動化」とは無縁なカメラであるため,使うにはある程度の慣れが必要かもしれない。逆に,「マミヤプレス」をミスなく使えれば,どんな古典的なカメラであっても,恐れずに使うことができるようになるだろう。

「マミヤプレス」は6×9判という大画面を手軽に撮影できるカメラである,ということは忘れてはならない。
 6×9判のカメラとしては,たとえばスプリングカメラの「イコンタ」や「ベッサ」(コシナ製のカメラとかんちがいしてはいけない)があげられる。これらのカメラは,折り畳むと非常にコンパクトになるという魅力は大きい。大画面と機動性が完全に両立しているといえるだろう。しかし,レンズ交換ができないこと,接写など精密なフレーミングやピント調整の要求に応えきれない面がある。
 モノレールタイプのビューカメラに6×9判のロールフィルムホルダをつけて使うという方法もある。この場合,持ち運びが容易ではなくなってしまう。となると,「ホースマン」のようないわゆるフィールドタイプのビューカメラくらいしか,比較対象が存在しないことになる。そのほかに,いわゆる舶来品のプレスカメラも存在するが,市場に流通している量が少なく,一般的な存在とはいえないだろう。

「マミヤプレス」は,1960年に発売された初代「マミヤプレス」から1965年の「マミヤプレススタンダード」までを「旧プレス」,その後のモデルを「新プレス」として分類できる。「旧プレス」と「新プレス」の間には,ボディのデザインとレンズの装着方法などに相違点が見られる。私が使っている「マミヤユニバーサルプレス」は,「マミヤプレス」シリーズの最終モデルである。
 初代の「マミヤプレス」は,そのコンパクトさ,距離計との連動も含めたレンズ交換の容易さ,そして後部アオリ機能という特徴をもっていた。その後に発売された「旧プレス」は,そのアオリ機能などを省略した「下位モデル」であったといえる。そして,1967年発売の「マミヤプレススーパー23」からが「新プレス」になるのだが,ここで後部アオリ機能が復活した。「マミヤユニバーサルプレス」は,後部アオリ機能を省略したかわりに,バック交換のオプションを充実させたものである。「マミヤユニバーサルプレス」は,ほとんど万能とも思われるカメラであるが,1つだけ物足りない要素がある。それは「アオリ」撮影ができないことだ。
 だから,「マミヤプレススーパー23」は,入手して使ってみたいカメラであった。このたび,その「マミヤプレススーパー23」を安価に譲っていただける機会に恵まれたのであった。日曜日に大阪から来た友人には,これを届けていただいたのであった。

「マミヤプレススーパー23」でのアオリは,ボディ側面にある4つのつまみをゆるめて4本の脚を出し入れすることでおこなう。チルトは自由におこなえるのだが,シフトはできない。そのため,被写体のゆがみを補正するという目的には使いやすいカメラであろう。また,これを目いっぱい伸ばすことで,接写もやりやすくなると思われる。接写リングや接写用スペーサーを使うときとは違い,連続的にその長さを変えられるのは,きっと便利なはずだ。

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