撮影日記


2006年06月25日(日) 天気:くもり一時あめ

「さくらんぼ渋滞」に巻きこまれる

仙台というところに来たからには,やはり松島は明るいときに見ておきたい,と思ったのである。
 国道45号線を行くと,やがて松島につく。松島あたりでの海のようすは,島が視界をふさぎ,小舟がいきかい,養殖の網と思われるものがあちこちに見られる。つまり,瀬戸内海の風景に似ている。いわゆる多島海は,一般的に美しいと感じるのであろう。
 瀬戸内海の風景と違うところは,海の向こうに見える島が,どれも小さいこと,その高さがどれもほとんど同じに見えることである。

「斎太郎節」に謳われている「瑞巌寺」や遊覧船乗り場のある周辺には,有料駐車場がたくさん用意されているようだが,その手前(仙台側)1kmたらずのところに,広い無料駐車場があったので,そこにクルマを駐車して,瑞巌寺を見学してきた。僧侶が修行,生活をするための,岩をくりぬいた洞窟があったり(ここがトイレである,という洞窟もあった),本堂はずいぶんと立派なものだったり,たしかにこれほどの寺はないと謳われるだけのことはある。

Nikon D70, AF-S DX Zoom-NIKKOR ED18-70mm F3.5-4.5G

今日はあいにくのどんよりとした空模様である。したがって,松島を遊覧船で観光することはやめた。駐車場に戻ってみると,朝はガラ空きだったのが,いまや満車状態である。「通路(駐車禁止)」の場所に駐車しているクルマがあったり,大型車(バス等)のエリアのまん中に駐車している普通乗用車などもあったりする。駐車場のマナーについては,どこも似たようなものなのだろう。
 さて,午後からは山形の山寺(立石寺)に足を伸ばしてみることにした。
 仙台から山形は,距離としてはたいしたものではない。仙台市は,周辺町村を合併して広域化し,人口が100万人を越えたという面では,広島市に似ている。仙台市は,県境まで広がっており,仙台市を出るとそこはもう山形県だったりする。
 仙台市中心部を離れ,愛子(あやし)というあたりまでくると,国道48号線が渋滞している。かなり長い渋滞のようだ。山形方面からくるクルマも少ないので,これはこの先で,工事か事故による片側通行規制があるのではないか,と想像した。案の定,30分ほどノロノロと進んだ先で,遠くに赤い回転灯が見える。道の中央に,破損した軽自動車が止まっており,ここで流れが遅くなっていたようだ。
 ここを過ぎると流れは快調になり,作並温泉をすぎて山形県内に入っていく。

山形県内に入り,山を下りきると,両側がさくらんぼ畑である。「さくらんぼ狩り 」の観光農園の看板も多数見かける。たわたに実ったさくらんぼの木がずらっと並んでいるのを見ただけでも,ここに来たかいがあったように感じた。
 そして,山寺に到着。ここは,松尾芭蕉の「閑かさや・・・・」の句で有名なところであり,芭蕉と曾良(そら)の像には多くの人が群がって,彼らといっしょに記念写真を撮っていたりする。現在は多数の人びとが行き交う,にぎやかな観光地となっているが,本来はやはり静かな場所だったのであろうか。

Nikon D70, AF-S DX Zoom-NIKKOR ED18-70mm F3.5-4.5G

山寺では,天気がよかったが,帰路,道が山間部にさしかかると,雨模様になってきた。山形県を出て宮城県内(すなわち仙台市)にはいると,作並温泉のはるか手前で,渋滞がはじまる。まさか,往路で渋滞の原因になっていた事故の影響が,まだ続いているというのだろうか?そうだとすれば,その渋滞の先頭は,作並温泉を越えて,はるか愛子まで続いていることになる。
 見通しのつかない渋滞は,やがて解消した。作並温泉の先にあった3つほどの信号機が原因だったようだ。単なる,交通集中による渋滞だったのである。
 この時期の国道48号線は,行楽のクルマによる渋滞が名物だという。それは,「さくらんぼ渋滞」と呼ばれているようだ。


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