撮影日記


2005年11月12日(土) 天気:晴

『夕凪の街 桜の国』

2005年9月末をもって,「図書券」の発行が終了した。今後は,プリペイドカードの「図書カード」のみが発行されることになるという。まだ,「図書カード」は使ったことがなく,なじみがない。そのため,「図書券」がなくなったことが,少々寂しく感じている。私は財布に,図書券をいつも1〜2万円分くらい入れていた。こうすることで,「本」以外の無駄使いを抑えることができる(と思う)。また,図書券はいわゆる「金券ショップ」で1万円分くらいずつまとめて購入しておくようにしている。基本的に割引販売をされない「本」を,少しでも安く購入するための,1つの常套手段だろうから,同じようなことをしている人も少なくないだろう。しかし,「金券ショップ」の店頭にも「図書券」が減ってきたようで,今,財布の中身は少々寂しい。
 仕事の帰り道などに,なにげに近くの書店に立ち寄ることがある。しかし,立ち寄る回数ほどには,そこで書籍を購入することは多くない。一方,中筋の「フタバ図書mega」などには,なにか購入したい書籍があるときに行くことが多いので,立ち寄ったときは,必ずなにか書籍等を購入することになる。仕事の帰り道などに立ち寄る書店は,「フタバ図書」の別の店なのだから,まあ許せ(笑)。ところで,「フタバ図書mega」は,いわゆる専門書などの在庫もかなりあるだけでなく,0時までお店が開いていることがありがたい。仕事が遅くなったときでも,ゆっくりと必要な「本」を探しに行くことができる。
 昨夜は,仕事の帰り道に,なにげに1冊の本を買ってしまった。

「夕凪の街 桜の国」 こうの史代

しばらく前から,このタイトルを目にすることが,なにかと多かったような気がしていた。コミックのようだが,その「絵」は妙な落ち着きが感じられ,好感のもてるものである。
 このお話は,いわゆるカタカナの「ヒロシマ」のお話である。「夕凪の街」「桜の国(一)」「桜の国(二)」の3編からなっている。ストーリーについて,ここで触れるようなことはしないが,妙なおしつけがましさのようなものが感じられない,たいへんすなおに眺めていくことができるコミックとなっている。登場人物や登場するお店の名前などに,なにげに広島の地名が流用されているところには,気がついてあげた方がいいだろう。あと,この作者の「絵」に,妙な落ち着きが感じられる原因としては,2つのことが考えられる。1つは,スクリーントーンがほとんど(まったく?)使われていないように見えることだろう。もう1つは,登場人物の「足」の表情が豊かなことではないかと思う。
 もし,書店で見かけることがあったら,そのあたりも確認してみてほしい。

このお話の舞台として,夏の基町界隈がよく出てくる。その基町界隈は,今はすっかり秋の色になっている。

この写真は,数日前に撮ったもの。
OLYMPUS OM-707, AF 35-70mm F3.5-4.5, GOLD200

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