撮影日記


2005年11月03日(木・祝) 天気:曇のちときどき晴

しのごの言わずに4×5を持って行く

気がつくと,紅葉のシーズンである。例年なら,先々週末くらいから,ぼちぼちと紅葉のようすをうかがいにでかけているのだが,先々週末は生憎の雨模様だし,先週末は東京へ出張だった。まあ,例年,三段峡は11月3日あたりが見ごろになるので,今年も同じような傾向だろうと考え,三段滝へ向かうことにした。
 天気予報では,午後からは晴れ間も出てくるものの,朝のうちは雨が残るところもある,という状態である。そこで,今年は,「三段滝」だけを,雨または曇のやわらかい光のなかで, しっとりと写してみようと考えた。
 そこで,今日は「タチハラ」だけで,三段滝へ向かうことにする。「三段滝」だけを撮ろうという割り切りなので,フィルムはそんなにたくさん必要ないだろう。また,雨に降られるかもしれないので,できるだけ荷物は軽い方がいい。結局,リュック型の小型カメラバックに詰め込んだ機材は,以下のようになった。

  • タチハラフィルスタンド(本体)
  • FUJINON SWD 90mm F5.6
  • FUJINON W 150mm F5.6
  • FUJINON W 210mm F5.6
  • フィルムホルダ5枚(E100G×8枚,EPN×2枚)
  • その他,小物類。

    そして,スリック「ザ・プロフェッショナル」を担いで,出発である。もっとも,駐車場に到着してからフィルムをフィルムホルダに装填したので,出発は8時近くになってしまった(笑)。ともあれ,今日は4×5判だけで撮る,という覚悟である。ほんとうは,マミヤプレスを持っていきたい。しかし,重くなってしまう。(ポケットのなかに,オリンパスXAを入れておいたのは,秘密。)

    三段滝に到着し,とっとと撮影をすすめる。

    OLYMPUS XA, F.Zuiko 35mm F2.8, GOLD200

    このくらいの時刻であれば,ほかにもここを訪れる人の姿をちらほら見かける。そんななかで,ニコンF4様のお姿も目にすることができた。やはり,ニコンF4様のお姿は美しい。しばらくするとニコンF4様は,望遠レンズにお召しかえになられたようだ。三脚座付きの80-200mm F2.8ズームレンズっぽく見える。私は「風待ち」の間,しばらくなにげにF4様の姿を拝んでいた。F4様は,私の右側で,軍艦部を私の方に向けていた。アナログ式操作系は,カメラ本来の機能美を漂わせている。さすがに,大口径望遠ズームレンズは重いのだろう,F4様は,どうしてもお辞儀をしてしまうようで,F4様にお付きの方は,少々手を焼いておられるようすだった。

    どうして,三脚座を使わないんですか?

    と,私は心のなかで,そう叫んでいた。きっと彼には彼なりの,「漢」としてのこだわりがあったのだろう(たとえば,三脚座を使うとブレやすいと判断しているのかもしれない)。その言葉は,そっとそのまま,心のなかにしまいこんだ。

    TACHIHARA Fielstand45, FUJINON 150mm F5.6, E100G

    まあ,ニコンF4様をお使いということは,きっと写真についても人間的にも,すばらしい人であることは間違いないだろう。11時近くになって,人がかなり増えてきた。空も中途半端に晴れてきて,陰影差がつきすぎて撮りにくくなりそうだったので,私も引き上げることにした。
     ところで例年であれば,三段滝では,ハッセルブラッドのような「舶来カメラ」「中判カメラ」を持ってきている人を見かけるものだが,今日はそういうカメラを見かけることはなかった。ディジタルの一眼レフカメラを見かけることはあっても,中判カメラを見かけることはなかったのである。
     しかし,探勝路(遊歩道)のまんなかで割り箸のような細い三脚を目いっぱい広げて,35mm一眼レフカメラ(キヤノンEOSの小型なモデルが多いように感じる。さすがに,よく売れているのだろう。小型軽量だったら,ハイキングなどにも向いている。)を載せて,人びとの通行を妨げるような人は,例年通り,男性女性を問わず,何人も見かけたものだ。


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