撮影日記


2005年10月15日(土) 天気:雨のち曇

DATデッキはいつまで使えるのか(2)

先週,8日に,DATデッキを修理に出した。「2週間はかかるでしょうね」「1万円以下で直りそうならそのまま進めますよ」ということだった。このとき,1050円をお店が預かることになり,修理代に充当するという。
 思ったよりも早い14日に,「修理が完了しました」という連絡があった。修理が早いことは,なによりもいいことだ。事前に,修理料金についてのの連絡もなかった。思ったよりもダメージは小さかったのか,であれば,いいことだ。
 そこで,閉店間際(笑)に,引き取りに行ったのである。

しかし,待っていたのは,厳しい現実であった。

「修理不能です」とのことだったのである。不良箇所は,ピンチローラー(テープの走行に関係するゴム部品)である。「15年前の商品」であるため,部品が入手できない,とのことである。代用部品もないというなら,現状は非常に厳しいということである。
 預かり金1050円は返金されたが,これから売れ残りあるいは中古のDATデッキをさがす必要があるのかと思うと,少し気が滅入る。
 ただ,メーカーさんとしても,最善の調整はしてくれたのだろう。もって帰ったDATデッキは,きちんと再生されるようになっていた。しかし,この状態で,いつまで使うことができるのか,状況は予断を許さない。きちんと再生ができるうちに,必要なものは別のメディアにバックアップをしておこう。バックアップには,先週買ったばかりのDVDレコーダを使うのが無難に思える(長時間録音も可能だから・・・・・)。もっとも,そのDVDにしたって,いつまで使えるのか,まったく見当がつかないものである。

ディジタル方式の記録メディアの特徴として,情報の劣化なく,その複製をつくることができるというものがある。現在,さまざまなディジタル方式の記録メディアが使われているが,これらすべてが,いつまでも使える状況にあるとはかぎらない。記録された情報を,いつまでも利用しようと思えば,そのメディアが使えなくなる状況が訪れる前に,より新しいメディアで複製をつくって対応していくしかない。ディジタル方式で複製をつくるかぎりは,アナログ方式による複製とは違って,情報が劣化していく心配もない。
 そのため,著作権の侵害という問題が表面化してくる。アナログ方式のメディアの時代にも,いわゆる「海賊版」の問題はあったが,ディジタル方式のメディアの登場においては,正規版も海賊版も品質が同じで,区別がつかなくなるという問題がクローズアップされた。その結果,ディジタル方式の記録メディアには,さまざまな方法で「複製が制限」されるしくみが採用されている。
 その結果,バックアップをとることができなくなるケースも生じてくるのである。

DATのシステムの場合は,「SCMS」という制限がかけられていた。これによって,市販DATソフト(実際には市販されなかったようだ)やディジタル放送をディジタル方式で録音したものを,1世代だけ,ディジタル方式で複製をつくることができるようになっている。しかし,自分で独自に作成した音源であってもこの制限を受けて,ディジタル方式による複製を無制限におこなうことができないのである。

この制限が,DATの普及をさまたげたといわれている。
 さまざまなコピーガード機能などが登場し,バックアップをつくることにさまざまな制約のある記録メディアは,いずれ,その複製をつくることができなくなる可能性がある。そうなると,そこに記録された情報は,まったく利用できなくなってしまうだろう。
 やはり,135フィルムや120フィルムは,すばらしい記録メディアだ。


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