撮影日記


2005年10月12日(水) 天気:晴

電池交換の面倒なカメラ
オリンパスAFL(オリンパス・ピカソ)

古(いにしえ)のカメラは,電池を必要としなかった。しかし,フラッシュが内蔵され,AF(オートフォーカス)機能を搭載されたコンパクトカメラには,電池は不可欠のものとなった。カメラの電池には,長く水銀電池が使われてきたが,やがてアルカリマンガン乾電池が主となり,最近はリチウム電池を使用するものが多くなった。リチウム電池は,容量が大きいことも特徴の1つである。
 電源にリチウム電池をはじめて採用したカメラは,1982年のコダック「ディスクカメラ」のシリーズであると思われる。このカメラは,フィルム装填を簡単にするための新しいカートリッジフィルム「ディスクフィルム」を使うカメラである。電源にリチウム電池を採用したのは,その大容量を生かして,「電池交換を不要」にすることをねらったようだ。電池交換というわずらわしさからユーザを解放するという考え方だったのだろう。実際,自分で電池を交換することはできないようになっている。
 35mmコンパクトカメラではじめてリチウム電池を電源に採用したのが,1984年のオリンパス「AFL」である。このカメラは,内蔵フラッシュの急速充電を実現しており,「即」「ピカッ」と光るという意味合いがあるのだろうか,「ピカソ」という名前があたえられた。

オリンパス「AF−L」の場合,「24枚撮りフィルムを月1本使用し,フラッシュの使用率は50%の場合」という条件で,5年間電池交換不要,と謳われている。そのせいか,このカメラも電池交換がユーザではできないことになっている。では,どんな電池が使われているのだろうか。
 このカメラに,いわゆる電池ボックスの蓋というものはない。小さなネジをはずすことで,電池を収納するスペースがあらわれる。そこには,ハンダづけされた,2本の「CR123A」がはいっていた。自分でこの電池を交換できる人は,その絶対数は少なくないだろうが,限られた人であることは間違いない。

オリンパス「AFL」は,電池を自分で交換することができない,という点を除けば,ごく平凡なフルオートコンパクトカメラである。レンズは38mm F2.8で,フラッシュは手動ポップアップ式である。

リチウム電池を電源に採用したカメラは,電池をわざと交換しにくくしたとしか思えないものが,ほかにも見られる。たとえば,コニカ「Z−up80」は,電池ボックスの蓋が精密ドライバの必要な小さなネジで止められている。京セラ「TD」の電池ボックスの蓋は,コインで簡単に開け閉めできるがネジ止めされているし,ニコン「ピカイチズーム」の場合は,ボールペンのような先のとがったものがなければ,電池ボックスの蓋を開けることができない。


← 前のページ もくじ 次のページ →