撮影日記


2005年08月23日(火) 天気:台風が来る?

テレビ放送はどうなる?

携帯電話のマナーに関する問題点が指摘されるようになって久しい。とくに,電車・バスなどの車内,病院,航空機内などでの使用をしないように,呼びかけられている。
 電車・バスおよび病院での使用については,医療機器に悪影響をおよぼす恐れがある,というのがその理由である。たとえば,携帯電話の発生する強力な電磁波が,心臓ペースメーカーの動作に影響を与える恐れがあるとして,電車・バスなどの混雑した車内では「電源を切る」ように呼びかけられている。つまり,あなたが何気に使った携帯電話のせいで,だれかが死んでしまうかもしれない,ということである。電車については,最近は,「優先座席付近」や特定の車両では「電源を切る」,それ以外の場所では「マナーモードにして通話はしない」というのが,1つのルールなりつつあるようだ。
 ちなみに航空機の場合は,携帯電話の発する強力な電磁波が,運行のための装置に影響を与える懸念があるとされている。つまり,あなたが何気に使った携帯電話のせいで,墜落することがあるかもしれない,ということである。

携帯電話禁止マーク

最近の携帯電話の機能は,単に通話するだけではない。電子メールの送受信,WWWの閲覧,ディジタルカメラ,音楽プレーヤなどのさまざまな機能が内蔵されている。近い将来,そこにテレビ受信機能が一般化するとされている。ただし,ここでいうテレビ受信機能とは,現在のアナログ放送を受信する機能のことではない。
 テレビの地上波ディジタル放送は,すでに一部地域でははじまっており,2006年12月までには全国で視聴できるようになる予定である。地上波ディジタル放送は,1つのチャネルに13のセグメントが用意されている。4つのセグメントを使うと,従来と同じ品質の映像を送ることができる。したがって,1つのチャネルで3つの番組を放送することができるようになる。いわゆる多チャネル化の流れだ。いちどに8あるいは12のセグメントを使って放送すれば,従来よりも高画質高音質の「高品位テレビ」(ハイビジョン)放送も可能になる。さて,その場合,1つのセグメントが残るわけだが,これを利用して,携帯端末向けの放送(1セグメント放送)が計画されている。その受信端末として,携帯電話が考えられている。
 携帯端末でテレビ放送を視聴する場所はどこであろうか?歩きながら?公園で?待ち合わせの時間つぶし?いや,むしろ通勤通学の電車・バスのなかではないだろうか。なお,ディジタル放送には「双方向性」という可能性も用意されている。視聴者から放送局へのアクセスに,そのまま携帯電話が使われることも考えられている。

報道によれば,電機・通信関連企業でつくる「情報通信ネットワーク産業協会」は,電車や病院内で,自動的に携帯電話の電源がOFFになるようなシステムの検討を10月からはじめるという。携帯電話の電源を切る,という行為は,利用者各自のモラルの問題であったわけだが,モラルの低下が著しいという判断から,こういう検討がはじまるのだろう。
 さて,もしもそういうシステムが実現すると,電車内では携帯電話の電源がONにならないことになる。地上波ディジタル放送の「1セグメント放送」を,電車内では視聴できないことになる。これは,地上波ディジタル放送の流れに,なんらかの影響を与えることになるだろうか?
 ところで,地上波ディジタル放送の開始にともなって,現在のアナログ放送は2011年7月24日に終了する予定である。現在のアナログ放送用のテレビ受信機では,地上波ディジタル放送は受信できない。つまり,あと6年もすれば,いま使っているテレビのほとんどは,使えなくなるのである。故障や製品の寿命により使えなくなるのではない。このような不条理に対して,あまり不平不満が聞こえてこないような気がするのだが,どうしたことだろうか。


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