撮影日記


2005年08月07日(日) 天気:晴れ

広島を撮る

今朝の中国新聞に,島崎省吾氏の写真展についての記事が載っていたので,これを見に行ってみた。島崎省吾氏は,中国地方の風景や行事などを撮りためたライブラリを運営している。記事によれば,これまでは商業写真家としての活動をしてきたが,これからは作家として活動していきたいという意味のことも語られていた。この機会に,「島崎省吾」という(本名とはまったく関係のない)名前を使うのをやめて,本名である「伊藤」を名乗ることにするという。
 写真展会場は,土師ダムの近くであった。展示内容は大きく4つに分類されており,モノクロ作品の「現代のヒロシマ」「被爆樹木」と,カラー作品の自然の山野草を撮ったもの,園芸品種の花を撮ったものである。モノクロ作品は,最近7〜8年くらいに撮ったものであるとのことで,花の写真は比較的最近のものという。
 「島崎省吾」氏のライブラリの写真は,その質も量もすさまじいものがあるものの,そこからは強烈なインパクトや感動のようなものは,あまり受けることはなかった。しかし,今回の写真展で見たモノクロ作品は,とくになにかを直接にアピールしているようには見えないのだが,強いインパクトを受けることができるものであった。こういう作品が,ほんとうに「いい」作品なのだろう。そう思ってしまう。
 一方,花の写真については,「自然の花は,平和の象徴のようなものでしょう」という意味のことを氏は語っておられたが,そういうなにかメッセージ性を感じたり,インパクトを受けるようなものではなかった。むしろ,氏が脱却しようとされておられる「商業写真」の雰囲気すら感じられた。
 ま,1人の素人の感想ということで。

これに影響を受けてしまったのか,帰ってきてから,平和公園にでかけてしまった。これまで,8月6日の平和公園は,物見遊山的に訪れてはいけないような気がしていて,近づいたことがなかった。ましてや,灯篭流しを,他人をかきわけてまでして撮影しようなどと思ったことはない。ま,今日は7日だから,そのあたりは気にせずにでかけたのである。写真展の影響で,きっちりとモノクロフィルムも用意していったりする。
 平和公園は,いつもより人が多いような気がしたが,ふだんとかわらない風景がそこに広がっている。8月6日という特別な日のイベントが平和の象徴なのではなく,毎日,安心して生活できる日常こそが平和の象徴なのだ・・・・なんてことまで,その場では考えていない。しかし,あとから思えば,結局そういうことなのだろうと思う。

Nikon F3, PC-NIKKOR 35mm F3.5, EB

Nikon F3, PC-NIKKOR 35mm F3.5, EB

いつもと変わらないように見えた平和公園も,前日の式典の跡が残っていたりするわけで,それを撮ってみたりする,結局,野次馬としての自分がそこにいた。

Nikon F3, Ai NIKKOR 28mm F2.8, EB

Nikon F3, Nikon LENS Series-E Zoom 75mm-150mm F3.5, EB


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