撮影日記


2005年07月26日(火) 天気:晴ときどき強風

中古カメラは地下資源

台風がキターと思ったが,東の方へ行ってしまった。そのおかげで,風が強く,暑さが少し,やわらいでくれた。なぜかこんな日に,大阪の友人が広島を訪れるという。広島を訪れる目的は,「レンズを買う」ためである。彼が欲しがりそうなレンズが安く売られていることを知らせてあげたのが原因である。
 そのレンズは,「FUJINON SW 75mm F8」という大判用レンズである。古いレンズであるし,レンズの周囲に少々問題点も見られたのであるが,実写に影響はなさそうで,絶対的な価格は十分に安いものであった。大阪からの交通費を勘案しても,それでも「安い」と,彼は判断したのである。東京のある中古カメラ店にもこのレンズがあったが,そこの価格の1/3程度であった(そちらの商品は,いわゆる極上品なのかもしれないが)。
 もし,私が先に「FUJINON SWD 90mm F5.6」を入手していなかったら,彼に知らせたりせずに自分が買っていたであろう。とはいえ,結果としては,思いっきり「アオリ」をしてしまったのである。

このレンズを見つけたのは,「大洲カメラ」である。最近,ここを訪れることが増えていると,自分でもそう感じている。この店は,周辺のほかの店にくらべて,ちょっと変わったものが,ちょっと安く売られている傾向を感じる。私自身は,ジャンクコーナーに興味があるわけだが,そこに「!」と思うものが埋もれているのを見つけ出すのが楽しいのである。
 しかし,中古カメラというものは,地下資源のようなものかもしれない。
 いま,ワタシ的に,「大洲カメラ」に「鉱脈」を見つけ出した状態であり,ときどき訪れては「採掘」をしている。もし,お店に商品が補充されることがなかったら,いつか資源は枯渇してしまう・・・・・
 いま,出荷されているカメラの多くが,ディジタルカメラになっていると言われる。最近までは,古いカメラを下取りに出したりして,ディジタルカメラを買っていく人もあっただろう。しかし,そろそろ昔買ったディジタルカメラを,新しいディジタルカメラに買いかえよう,という人も少なくないようだ。古いカメラという「資源」は,その絶対量が減少しつつあるのかもしれない。

中古カメラ店のジャンクコーナーをにぎわせているカメラは,1980年代前後のコンパクトカメラが多い。これらは,人びとが手軽に写真を撮るために,非常に多くの量が市場に供給されてきた。もともとあまり高価なものでもなく,とにかく数が多いので,わずかな不具合があってもジャンク扱いされるようである。
 ニコンやキヤノン,ライカやContaxなど,古くからの「名機」と呼ばれる機械たちは,恐らくこれから先もずっと,実用品あるいはコレクションの対象として,多くの人に大切に扱われ,中古市場を流通していくことだろう。1970年代以前の機械としてのカメラであれば,普及機であってもそれなりに大切にされていくものと思われる。しかし,1980年代のコンパクトカメラは,もしかするとこのまま,だれにも気づかれることなく,絶滅していくのかもしれない。
 この時代のカメラを救出できるのは,もしかすると今が最後かもしれない。

今日は,「キヤノンオートボーイテレ6」というカメラを発掘した。シャッターの動作があやしく,現状では撮影不能である。時間があるときにでも,じっくりと調べてみようと思う。生き返ってくれれば,たいへんありがたい。

Canon Autoboy TELE6

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