撮影日記


2005年06月22日(水) 天気:晴

コンパクトな距離計連動機
コニカC35フラッシュマチック

露出計が故障している,というカメラを譲ってもらった。「コニカC35フラッシュマチック」という,1971年に発売されたコンパクトなカメラである。「コニカC35」シリーズは,1968年の初代「コニカC35」から続くシリーズで,1975年の初代「ピッカリコニカ(C35EF)」までは「ジャーニーコニカ」とよばれていた。
 当時のコンパクトカメラは,通常の撮影では自動露出に対応していたが,フラッシュ撮影は自動化されていなかった(だからこそ,初代「ピッカリコニカ」は,一般のユーザに大歓迎されたのである)。フラッシュのガイドナンバーと被写体までの距離から適切な絞り値を算出して,カメラの絞りをそれにあわせて撮影しなければならなかった。この「コニカC35フラッシュマチック」は,ガイドナンバーをセットしておけば,撮影距離に応じて自動的に絞り値がセットされるようになるのである(この機能を,フラッシュマチックという)。
 フラッシュマチックではないカメラは,フラッシュ撮影用のシャッター速度(1/30くらい)で,任意の絞り値をセットして撮影することが可能であった。露出計が壊れていても,かろうじてマニュアル撮影が可能だった。ところが,フラッシュマチック機能があると,この手が使えない。つまり,露出計の壊れている「コニカC35フラッシュマチック」は,露出計を直さないかぎり,まったく使えないのであった。

露出計が故障している場合,もっとも可能性の高い原因は,電池の腐食による断線である。ところが,電池ボックスはきれいなものであった。となると,そのほかの部分で断線していることを考えなければならない。分解した結果,内部で腐食している場所と,劣化した導線を見つけた。そこを交換することで,露出計が動作するようになり,「コニカC35フラッシュマチック」は復活したのである。
 復活してくれれば,これも実に快適なカメラである。さっそく,フィルムを装填して,試運転だ。
 「フジカGER」と同様に,コンパクトな距離計連動カメラは,ふだん持ち歩いて使うのに適している。しかし,「フジカGER」にくらべて,重量感がある。分解したときに気がついたのであるが,レンズボード部分などは,厚い金属で作られていた。

Konica C35 flashmatic
分解のために貼り革をはがすことになった。そのため,赤いスエードに貼り替えたのであるが,このスエードは厚すぎたようだ。セルフタイマーレバーの動作が苦しそうである・・・・スエードであることにとくに意味はない。ただ,なんとなく,この感触が好きなのである。

「コニカC35」は,1964年発売の「コニカEYE」というハーフサイズカメラに匹敵するコンパクトさを狙ったカメラであった。このあと,連動距離計などを省いた「コニカC35 E&L」が登場し,距離計がないままフラッシュを内蔵した,初代「ピッカリコニカ」へと続くのであった。


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