撮影日記


2004年06月12日(土) 天気:曇

流し台をつくる

プリントしなければ意味がない

撮った写真は,他人に見せなければ意味がない。他人に見せるとき,ポジフィルムのままよりは,プリントにした方がみてもらいやすい。写真というものは,プリントしなければ意味がないと言うことができるだろう。
 ラボに依頼してプリントしてもらえば,ちょっとした費用で,専門のオペレータによる高品位のプリントを得ることができる。ラボに依頼するのではなく,自分でプリントするという手もある。その手間を考えるとラボに依頼するよりも高くつく場合があるかもしれないだろうが,その作業そのものも楽しみになることだろう。
 最近は,ディジタルカメラで取りこんだ画像や,フィルムで撮影した写真を家庭用イメージスキャナで取りこんだ画像を,パーソナルコンピュータで処理し,家庭用プリンタで出力するような楽しみ方をする人も多くなっているようだが,昔ながらの方法でモノクロプリントを楽しむことにも,まだまだ根強い人気があるようだ。

モノクロプリント

モノクロプリントは,カラープリントにくらべて,とっつきやすいと言える。ちょっとした暗室(専用の部屋である必要はない)があれば,必要なときだけそこに,引き伸ばし機,薬品,水を持ちこむことで作業ができる。処理は,現像と定着の2段階だけなので,薬品の管理もカラーにくらべると楽であると言える。また,プリントの現像は,暗室電球の赤い光のなかで,「見ながらできる」というメリットがある。現像液のなかで,印画紙に像が出てくるようすを目撃したことで,プリント作業に興味をもってしまうという例もあるようだ。以前の日記にも書いたが,たとえば浴室を暗室として利用するようなことも可能である。
 暗室には,どのような設備があるとよいだろうか。
 もっとも大切なことは,文字通り「暗室」であることである。部屋に光が入らず,まっ暗にできることが,なによりも重要である。光が入らない状態であれば,風通しも悪くなる。薬品は強アルカリや酸で,臭いも強いため,換気をよくすることが大切である。電源は当然必要であるとして,さらに,水の便がよければ申し分ない。(窓のない)浴室というものは,暗室として利用するには,非常に適した空間なのである。
 ただし,そこでプリント作業をしている間は,自分自身も含めて,誰もお風呂に入ることができない(笑)。

暗室をつくろう

納戸や押入れなど,1つの空間が空いているなら,そこを利用して専用の暗室をつくってしまいたい。その部屋に,電源,水道,換気扇をつけるには,大工さんに依頼して工事をする必要があるだろう。暗室に使うための換気扇や流し台については,特別なものを用意する必要がある。換気扇については,光が漏れないようになっている「暗室用」というものが,三菱や松下から発売されているようなので,これを利用することになるだろう。一方,流し台については,ステンレス製のものは,使わない方がよいとされる。使用する薬品の影響で,腐食しやすいということだ。そのため,タイルで大工さんにつくりこんでもらうか,暗室用品専門のメーカー製の合成樹脂製のものを利用することになる。合成樹脂製のものであっても,ほとんどオーダーメイドのようなもので,すぐに10万円近い出費になってしまうようだ。
 だからというわけではないが,流し台については,近所のDIY店で,適当な材料を買ってきてつくってみることにした。「ホームコンテナ」という名称のポリプロピレン製の箱に穴をあけて排水パイプをつなぎ,隙間を「バスコーク」という名称のシール材でうめただけであるが,これでも十分に使えそうな流し台になる。工作時間は1時間足らずで済み,この部分の材料費はおよそ4000円だった。
 ところがまだ,この部屋には換気扇がない。換気扇をつけてもらうまでは,プリント作業をする暗室としては使えない。


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