撮影日記


2004年02月11日(水) 天気:晴

筒賀村うろうろ

名水

広島近辺でも,「名水」と呼ばれる水がいくつもあるようだ。広島市の水道水は,それほど悪いものではないと思うが,それらの「名水」をお茶などに使うと,よりおいしいと感じることもある。有名な水場には,ポリタンクやPETボトルで水を汲んでいる人の姿をよくみかける。
 私は,とくに水に凝っているわけではないが,筒賀村の竜頭峡の水を,ときどき利用している。私がここの水を汲むことが多いのは,この水をお茶に利用すると,おいしく感じることも大きな理由だが,三段峡などを訪れた帰り道などに寄ることができるという事情も大きい。
 個人的には,臥竜山(刈尾山)の林道の終点にある「雪霊水」をさらにおいしいと感じるが,こちらはやや遠いことと,水の出る量が少なく,汲むのに時間がかかることもあって,あまり利用しない。

破壊された水場

竜頭峡の水汲み場は,現在,蛇口が1つしかない。しかし,水の出る量が多いため,実際にはあまり時間がかからない。かつては,蛇口が3つあったらしいが,壊されてしまったという。聞いた話では,トラックで乗り付けて大量に汲み帰ろうとした人があり,その人に対して苦情が出たことがあったらしい。苦情を言われた人は逆ギレしたのか,水汲み場を破壊して逃げたという。最近のニュースで,吉野家の牛丼の販売休止に怒って,店内で暴れた人が逮捕されたというものがあったが,なんか変な時代である。
 さて,自宅に置いていた水が底をついてきたので,今日は久しぶりに水を汲みに行ってみた。ところが,いつも以上に混雑している。あまりに混雑しているので,筒賀神社へ移動し,葉を落としたイチョウを眺めながら昼食など済ませて,再び,竜頭峡へ戻った。しかし,まだ混雑している。しかたないので,すなおに待つことにしたが,どうもようすがおかしい。見ると,蛇口がなくなっている。ホースが直接出てきているのだが,水の出る量が,非常に少なくなっているのである。
 そこで聞いた話によると,最近,蛇口が破壊されたという。今は,蛇口を直さず,水が少しずつ流れっぱなしになるように応急修理がされているとのことである。破壊された蛇口には,すすがついていたことから,夜間に水を汲みに来た人が,凍結していた蛇口を強い火であぶったことが原因ではないか,と考えられているらしい。
 破壊した人は,自首し,弁済したまえ。と思う。

棚田の雪景色

帰路は,井仁を通った。棚田には雪が積もっており,境界などは雪が解けている。白と黒のコントラストがきれいである。この景色を撮ってみようと,すなおに展望台に三脚をたてた。ふとみると,カメラを持った人が何人か,うろうろしている。ひとりの人が話しかけてきたが,その方の話によると,前日にマスコミで井仁のことが話題になっていたそうである。だから,もっと多くの人が来るだろうと,その人は思っていたそうである。大口径望遠ズームレンズのようなものをつけた一眼レフを2台ぶらさげたその人は,「散歩してくるよ」と言って,集落の方へ向かっていった。
 筒賀村には,大イチョウ,竜頭峡,そして井仁などの,ちょっとした名所がある。可部線が運行されなくなった今,これらを訪れるための公共交通機関があるのかどうか,わかりにくい状態になっている。可部線は,筒賀村の中心近くに駅があったが,その代替交通機関的性格も持つ,広島市内と三段峡を結ぶバスは,筒賀村を通らないのである。実際には,そのバスと戸河内ICで連絡するように,筒賀方面に向かうバスの便がある。しかし,これらのバス路線についての情報は,運行会社が違うせいか,まとまった情報としては存在しないようである。
 鉄道であれ,バスであれ,幹線にあたる部分の情報は,割と入手しやすい。一方,筒賀村を通るような細かいバスの便などの情報は,どこで調べればよいかも見当がつかないことがある。これらの情報が,誰にでもわかりやすくまとめられた状態で公開されていることが,そこを訪問しようと考える者にとっては,なによりもありがたいことであろう。


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