撮影日記


2003年07月26日(土) 天気:晴のち曇

大判カメラ事始め2 (4)

早朝の太田川放水路

日々の怠惰が祟ったのか,職場の健康診断で「運動不足」を指摘された。休みがあればカメラや三脚を持っていろいろと歩き回っているから,それで十分だろうと思っていただけに,ショックである。そこで,気を取り直して,早朝に近くを散歩してみることにした。いや,少し走ってもみたのだが,たしかに体力が落ちていることを痛感するだけであった。もしかすると,職場に近い今の部屋を引き払って,適度に遠いところへ引越しするべし,という天の声なのだろうか?(笑)
 太田川放水路の河原に出てみると,多くの人がジョギングをしたり,散歩したりしている。上流方向へずっと歩いていくと可部線の鉄橋の手前に,黄色い花が群れていた。数年前は,この付近が一面のコスモス畑になっており,たいへん美しかったのだが,その後は放置されたようで荒れ果てており,しばらく目を向けることもなかったのである。コスモス畑だった部分は荒れたままだが,この黄色い花は,撮る価値があると感じた。
 久しぶりに晴れた今朝,じっくりと撮影してみようと,カメラを持ってでかけることにした。

やはり重かった

カメラは,「トヨビュー45C」を使うことにした。アオリを利用して,手前の花と遠くの鉄橋を渡る電車の両方にピントがくるようにしたかったからである。マミヤプレス用ロールフィルムホルダに,「セクシーなニンジン」を撮ったフィルムが残っているので,迷わずこれで撮ることにする。そうすると,持ち運ぶ荷物は,次のようになった。
・トヨビュー45C 本体(標準蛇腹付き)
・三脚 ザ・プロフェッショナル
・150mmレンズ
・210mmレンズ
・クイックロールスライダー
・マミヤプレス用ロールフィルムホルダ2型
・露出計 スタジオデラックス
・冠布,ケーブルレリーズ,予備のフィルムなどの小物類
 「トヨビュー45C」を入れるバッグがないので,これは三脚に取り付けたまま運ぶことにした。ほかの小物類は,小型のカメラバッグに収納した。総重量は10kgを余裕で超えているし,持ちにくいことこのうえなし。しかし,これを歩いて数100m持ち運ぶのは,たいへんよい運動になるというものだ。

前アオリと後アオリ

撮影ポイントは,次のように考えて確保した。まず,手前からみて,花の密度が高く見える場所である。そして,その正面に鉄橋の端が位置するようにした。場所が決まれば,三脚,雲台および,カメラのフロントとリアのスタンダードを水平にする。そして,フロントを少しライズすれば,鉄橋も歪まない。次に,フロントをティルトして,鉄橋と手前の花とにピントが来るようにする。さすがに150mmレンズでは,蛇腹をあまり伸ばさない状態なので,アオリがちょっと苦しい。袋蛇腹を持ってくるべきだった。手前の花を強調しようと,リアもティルトをしてみるが,鉄橋も変形していまうわけで,これは止めた。
 一般に,フロントのティルトはピント面をコントロールするために,リアのティルトは被写体の形を整えるために使うとされる。風景写真,とくに,建造物の入ってくる写真の場合,リアのティルトを使うときは,変形の効果に気をつける方がいいだろう。
 150mmレンズは,4×5判ではやや短焦点な標準レンズだが,6×9判ではやや超焦点な標準レンズである。この風景は,もう少し短焦点なレンズで撮ってみたい。ということで,90mmレンズや75mmレンズも欲しくなってくる(笑)


← 前のページ もくじ 次のページ →