撮影日記


2003年07月18日(金) 天気:大雨

雨中大作戦 その後

大雨が続く

なんだか,この日も夕方から大雨である。そして,夜中から翌日の明け方にかけては雷も激しい。そろそろ梅雨明けも近いのだろう。水不足にならないように,今のうちに,十分に降っておいていただこう。
 それにしても,各主要河川の上流には,発電用だけでなく,さまざまなダムが用意されているのに,毎年のように水不足がどこかで問題になるのは,どうしたことだろう?ダムが新しく完成したときには,実験的にほぼ満水まで貯水させることができるようなのに,その後は,十分な貯水ができていないことはどういう問題があるのだろうか?運用には,適切に「放流」(下流への水の供給や,大雨の対策などのために)しておくことも必要なのだろうが,つねに水不足の問題を「意図的に」起こすことで,新しいダムの建設の必要性を「捏造」しているのではないか,と想像をめぐらせてしまうものである。
 ともあれ,週末になると天気が崩れるというパターンだけはやめてもらいたいのだが(笑)。

雨の日を雨らしく撮るには

先日の「雨中大作戦」について,「大雨というわりには,写真に雨の雰囲気がないぞ」という意見をいただいた。たしかに,そうだ。影が出ていないことから,これが晴れた日に撮ったものではないということくらいはわかるだろう。しかし,これでは,ただの曇りなのか,大雨なのかは判別できない。もともと,大雨の雰囲気を出すつもりはなかったのだから,この結果は当然なのであるが,ふと,どのように撮れば,大雨の雰囲気が出せるのだろうかと,疑問がわいてきたのである。
 さて,この日の撮り歩きを提案したX氏の撮影された写真をここに公開させていただけることになったので,ご覧いただきたい。X氏は,どちらかというと雨の雰囲気を出したかったという。その狙い通り,全体にしっとりとした雰囲気が出ており,雨の日であるというイメージはよく伝わってきている。しかし,雨そのものがほとんと写りこんでいないことが,X氏にとっては不満だという。
 私のいままでの少ない経験では,降っている雨そのものを写しこもうと思って撮ったことがないのだが,左の写真のように中景から遠景にかけてピントを合わせたような構図であれば,手前で大きく見えるはずの雨粒はピンぼけになり,遠方でピントがあってるだろう雨粒は,小さくて判別が難しいのかもしれないと考えられる。一方,下の2点の写真では,思い切ってもっと被写体に接近して濡れた表面のしずくがわかるようにする撮り方も考えられるが,それでは降ってくる雨そのものを撮らえることはできないだろう。また,薄暗い条件で,RVPを使用したことも,露光時間が長くなりすぎて雨が写りこんでいないことも,要因の1つとして考えられる。ただ,この場合は,RVPを使用したことによって「ぬめぬめ」っとした感じが強調されているとも思われるので,フィルムの選択はむしろ正解だったと思うのであるが。

Hasselblad 500C/M, Planar C 80mm F2.8, RVP
上記3点の写真は,X氏(本人の意思によりこの表記としている)の撮影である。
このウェブページへの掲載については,許諾を得ている。

雨中大作戦の反省

モノクロ写真の場合,雨の雰囲気はどのようにして表現すればよいのだろうか?先日の日記に掲載した4点を見返してみると,濡れているようすがわかりにくいことに,その理由がありそうだ。実際に,濡れた路面が写っている写真をご覧いただければ,この日がたしかに「雨」であることは十分にわかっていただけるものと思う。
 結局,水たまりなどに雨が落ちているところや,軒先などから雨のしずくが滴り落ちるところなどを撮るのが,雨の日の写真であることがもっともわかりやすい撮り方なのかもしれない。そして,この日が「大雨」だったことを伝えたいなら,江波山気象館にあがる,濁流や滝と化した坂道や石段を撮っておけばよかった,ということだろう。
 後悔先に立たず。されど,そこをあがっていたときには,そこで写真を撮ろうなどという余裕は,まったくなかったのである。雨の日の撮影は,濡れてもいいスタイルに,防水カメラが最適だろう(笑)


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