撮影日記


2003年06月22日(日) 天気:くもり

ついにモノレールをGET

トヨビュー45C

このたび,友人K氏のおかげで,(少々難アリではあるものの)「格安」にてモノレールタイプのカメラを入手することができた(御礼も兼ねて,セットに含まれていた冠布は,K氏に差し上げた)。入手したカメラは,「トヨビュー45C」というモデルである。現在,中古カメラ市場では4×5判カメラ,とくにトヨビューの人気がガタ落ちしているという。上位モデルの「トヨビュー45G」クラスでも,中古市場では4〜5万円というのが当たり前という状況も聞くが,今回の「トヨビュー45C」の価格は,それにくらべても十分すぎるほどに魅力的なものであった。今回入手したものには,トヨビュー45C本体(フロントとリアのスタンダード,オプチカルベンチ),延長用25cmオプチカルベンチ,標準蛇腹,袋蛇腹,リンホフ規格ボードへの変換ボードなどが含まれていた。
 本などで見てみると,「トヨビュー45C」は,「入門機」として位置付けられている。メーカー希望小売価格は,上位モデルにくらべて10万円以上安く,20万円を下回った価格が付けられている。安いということは,どこかが簡略化されているわけだが,たとえば「ヨーフリー」機構に対応していなかったり,オプチカルベンチが延長できない,などとされている。
 しかし,今回入手したセットでは,延長用オプチカルベンチが付属しているし,ちゃんと延長もできた。おかしい。よく読んでみると,「トヨビュー45C」には本来,延長ができないタイプの,45cmのオプチカルベンチがセットされていることになっているようだ。それとは異なり,延長用の25cmオプチカルベンチが2本セットされていたのが,今回入手したカメラだったのである(スタンダードの方には,ちゃんと「45C」と記されているので,間違いないだろう)。

アオリの自由度は高いけど

これまで,4×5判のカメラは,木製の組立暗箱しか使ったことがなかった。「タチハラフィルスタンド45」の場合,本体の重さはおよそ1.5kg,レンズにはヘリコイドのある鏡胴などなく,ロールフィルムホルダも使わない。そのため,全体の重量は,ちょっとした中判カメラよりも軽くなってしまう。ところが,さすがにモノレールタイプのカメラは,重い。入門機とされる,「トヨビュー45C」でも,本体(フロントとリアのスタンダード,標準のオプチカルベンチ,レンズボードなど)の重さはおよそ4.1kgである。
 「トヨビュー45C」は,重いだけでなく,大きい。これまで,「タチハラフィルスタンド45」や「マミヤユニバーサルプレス」など,さまざまな大判,中判カメラを収納することのできたカメラバッグには,収納できないのである。そのかわり,袋蛇腹を使ったり,オプチカルベンチを延長して近接撮影をすることもできる。また,アオリが前後とも十分に可能である。
 「タチハラフィルスタンド45」のウリが,「小型軽量」な点であることに,納得がいくというものである。

問題は持ち運び手段

さらに,以前,ジャンクコーナーで,トヨビュー用の「クイックロールスライダー for マミヤプレス」という部品を買っていた。これは,トヨビューのリアスタンダードに,マミヤプレス用のロールフィルムホルダをつけるための装置である。しかも,その名前が示すように,ロールフィルムホルダはスライドし,ピントグラスとのチェンジが容易になっている。つまり,6×9判での撮影も,平面性のよさで定評のあるマミヤプレスのロールフィルムホルダを活かしつつ,アオリ撮影もできるようになったわけである。
 しかし,「トヨビュー45C」を収納する適当なバッグ(あるいはケース)がないということに気がついた。撮影に出かけるとき,持ち運びがたいへんだ,ということである。また,これを収納できるバッグは,それなりに大きいものになるだろうから,やはり持ち運びはたいへんなことになるだろう。本来,スタジオで商品撮影をするのに適しているカメラなのかもしれない。
 そうなると,実際に使う場所は,撮影場所にクルマで乗り付けられるような場合に限られてしまいそうだ。そして,少しでも歩く必要があるような場合には,「タチハラフィルスタンド45」や「マミヤユニバーサルプレス」(もしくは素直に35mm判とか)の出番になるだろう。風景撮影では,極端なアオリは必要としないことが多いのだ(笑)


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