撮影日記


2003年06月15日(日) 天気:くもりときどき晴れ

古いカメラへの興味

日本カメラ博物館

1989年に開設された「日本カメラ博物館」には,以前から訪れてみたいと思っていた。これまで,その近くに行く機会は多くあったのだが,ようやく今日,訪れることができた。場所についてはご存知の方も多いと思うが,営団地下鉄半蔵門線の半蔵門駅(水天宮前寄りの出口)からすぐのところ,ダイヤモンドホテルの横を入ったところである。
 展示スペースそのものは,さほど広いものではない。しかし,展示してあるものは,絵や彫刻ではない。カメラである。写真の歴史上ごく初期のものを除けば,基本的にどれも小さいものである。また,中古カメラ店のように,同じ機種がたくさん並べてあったりするわけでもないので,見るべきものはたくさんあると言える。
 常設展では,日本のカメラの歴史がわかるような展示をしている。チェリー手提げ暗箱(これはレプリカとのこと)にはじまって,ハンザキヤノンやゴコクなど戦前の名機,ズノーや初代ミランダのような黎明期の一眼レフなど,今となっては中古カメラ店で見かけることも希なカメラの実物を見ることができるようになっている。さらに,ディジタルカメラのコーナーも設けられているなど,展示内容は時代を常に反映しているといえるだろう。

写真の歴史

この博物館には,ジルー・ダゲレオタイプ・カメラの本物も展示されている。これは,フランスのダゲールが銀板写真(ダゲレオタイプ)を発明した当時のカメラそのものである。ほかに,湿板カメラ,乾板カメラ(これは単純な組立暗箱とどこが違うのだろう?)なども展示されているが,さらに銀板および湿板写真の撮影,処理手順なども説明されており,たいへんおもしろい。
 私自身も,古いカメラに興味はあるが,ぜひ1つ,自分のコレクション(というほど大げさなものでもないが)に19世紀のカメラを加えたいと思っている。「あなたはボタンをおすだけ」の,コダックカメラでもいいと思っていたりする。しかし,実際にはもうあまり市場に出回っていないだろうし,あったとしても,簡単に買える価格ではないだろう(笑)。
 そして,こういう展示を見てしまうと,手元で眠っている,組立暗箱(「タチハラフィルスタンド」のように近代化されているものではない)で撮影したくなってしまうというものである(笑)

カメラ趣味と写真趣味

以上のように「カメラ趣味」を堪能できた1日であった。実はここへ寄る前に,石神井の「ちひろ美術館」に立ち寄っている。こちらも小さな美術館であるが,展示してあるものは「絵」の作品であり,カメラのように詰めて展示することはできない。そこで。展示してある点数としては,あまり多くはならない。それでも,作品は絵本などの挿し絵として描かれているものなので,大きなものではない。大きな絵やオブジェなどの作品を多数展示しようと思うと,川崎の「岡本太郎美術館」(前日に訪れた・・・・)くらいの規模が必要になるということだな。
 ところで,「写真趣味」をするには,やはり撮った写真を人に見せることまでする必要があると思う。ところが,撮った写真をそれなりの大きさに伸ばし,展示しようと思うと,相当なスペースが必要になるのである。WWWでの展示は,いろいろな意味でお手軽なのだ。
 夢としては,いつかは「写真集」というものを出版したい,というものもあるが,これも写真を見せるための方法の1つといえる。いかなるメディアであれ,「写真趣味」には写真を見せるという行為は不可欠だろう。一方,「カメラ趣味」としては,写真技術およびカメラの歴史的なものの勉強が必要になるといえるだろうか。


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