撮影日記


2003年01月24日(金) 天気:くもり

どうして1ガロンなんだ!?

基本はトライX?

モノクロ写真をはじめようとする人に,「もっとも基本的なフィルムはなんですか?」などと聞かれることがある。申し訳ないが,私はそれに正しく回答できるだけの知識も経験もない。ただ,「ネオパンSS」を基本と考えている人は,少なくないのではないだろうか。これは,感度も粒子もコントラストも,すべてが中庸な印象のフィルムだと思う。また,日本に住んでいる限り,もっとも入手しやすいフィルムの1つではないだろうか。もっとも最近は,「ネオパンアクロス」や「ネオパンプレスト」などが主流のようで,「ネオパンSS」はあまりみかけなくなった。
 一方で,「基本はトライXである」とする意見も耳にすることがある。このフィルムの場合,粒子はあまり細かくない。その反面,感度が高く,コントラストの強いネガが得られやすい。かなりクセのあるフィルムといえるだろう。さて,「ネオパンSS」と「トライX」と,どちらが「基本」なのだろうか?
 これらは,性格の違うフィルムなのだから,それぞれに適切な場面があるはずだ。全体的に中庸な「ネオパンSS」は,無難にきれいに写すことができるフィルムであると考えていいだろう。一方「トライX」は,なにかを強調する撮り方に向いているということができるのではないだろうか。日常的な写真には「ネオパンSS」が基本であり,コンテストや写真展などで迫力ある絵を求めるときには「トライX」が基本である,と言い換えてもいいだろう。つまり,それぞれ「基本」となる立場が違うので,どちらも「基本」の1つなのである。

SI

天気予報で「ヘクトパスカル」という言葉を耳にすることがあるだろう。これは「気圧」を示す単位である。以前は「ミリバール」という単位が使われていたが,1993年11月に施行された新しい「計量法」により,SIの単位に改められたものである。
 SIはフランス語の「Le Systeme International d'Unites」の略であり,日本語では「国際単位系」という。メートル法のMKSA単位系と呼ばれていたものを拡張したものであり,1960年の国際度量衡総会において採択されたものである。
 取引や証明における計量単位が国によって異なると,ややこしいことになる。だから,単位を国際的に整合させることは重要なことであろう。世界中で共通の取り決めは,いろいろな場面で必要になるはずだ。

アメリカなんか嫌いだ

ところで,モノクロフィルムのしくみは,基本的にはどのメーカーでも同じである。だから,それを処理する薬品も,基本的には同じである。フィルムと薬品の組みあわせによっては最高の結果を期待できないこともあるようだが,基本的に処理は可能である。しかし,フィルムと薬品のメーカーは,やはりあわせておきたいような気がする。だから,「ネオパンSS」などフジのフィルムを使うときには「ミクロファイン」などフジの薬品で処理をしたし,「100DELTA」などイルフォードのフィルムを使うときは「ID−11」などイルフォードの薬品で処理をしている。
 同様に,「トライX」を使うときにはコダックの薬品を使う。これは「D−76」という名称で売られている。ところで,「ミクロファイン」は1リットル用として,「ID−11」は600ml用として調合されたものが売られている。「D−76」を買ってみると,それは「1ガロン」用であった。なんとも中途半端に感じる量である。どうしてこの時代に,いまだにメートル法を使わないのであろうか(いちおう,1リットル用のパッケージも売られているようではあるが・・・)。
 私は,コダックのフィルムは好きである。また,アメリカのポピュラー音楽も好きである。でも,アメリカという国は,やっぱり嫌いだ。


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