撮影日記


2003年01月01日(水) 天気:大阪は「曇りのち一時雨」だったらしい

撮り初め(その1)

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

初詣はいつものように

年末年始はいつものように大阪の実家で過ごすことにした。例年,「初詣」として訪れるところが何箇所かある。その中でも,もっとも多く訪れているのが,南河内郡太子町の叡福寺である。ここには,聖徳太子の御陵として伝えられている廟がある。「太子」という地名は,これに由来しているものである。
 実家から,叡福寺まで,電車とバスを乗り継いで,1時間くらいかかる。ただし,それは乗り換えがスムースにできた場合。たいていは,乗り換えに時間がかかり,1時間半から2時間近くかかる。近鉄南大阪線の支線,長野線喜志駅で,金剛バスという路線バスに乗り換えるのだが,このバスの便が少なく,1時間に1〜2本くらいしかない。なんとものんびりしたところである。
 喜志でバスの発車を約30分待った結果,叡福寺についたのは,もう11時。のんびりするのも,いいものである。

たき火だ

バスを降りて石段を登り,山門(南大門)をくぐる。左手には多宝塔がそびえ,その前には金堂がある。一方,右手には手水所や事務所などがある。例年,お正月の間,その付近で甘酒がふるまわれる。これが,非常においしい。そして,手水所のそばでは,火が焚かれている。
 今年の「撮り初め」では,マミヤプレスをぜひとも使いたかった。そして,このたき火を手前に,多宝塔を撮ることを考えていた。一通りお参りを済ませて,甘酒をいただく。そして,たき火のそばに陣取ろうとしたが,どうしたことか,今年はいつもの場所でたき火が行われていない。よく見ると,いつもとは違って,金堂と多宝塔の間で,火が焚かれている。
 予定していた構図とは異なるがしかたない。たき火を手前にして,金堂を撮ることにした。これまで金堂はあまり撮っていなかったので,よい機会かもしれない。冠布を被り,構図を整える。三脚はスリック・マスターで,脚はいっぱいに縮めた状態である。地面に正座して(笑)ピントグラスを覗き,ピントを燃え盛る1本の焚き木にあわせた。そして,フィルムホルダを装着し,露出を確認してさあシャッターを・・・と思ったら,焚き木が追加された。しばらく間をとって,また追加。当然,先ほどピントをあわせた焚き木は動いてしまっている。なぜか焚き木は,少しずつ間をとって,次々に追加されていく。いいかげん足がしびれてきた(笑)。

線香の煙

焚き木の追加は,なかなか止まらない。その間,露出の確認も兼ねて,ニコンF-301も取り出した。これには,モノクロフィルム(ILFORD 100DELTA)を装填してある。これで,なかなか焚き木の追加をやめてくれないオジサンの後姿でも撮ってみた。
 一方,マミヤプレスに装填したフィルムは,EPN。天気はどっちつかずのあいまいな明るさだが,焚き火の忠実な再現と,透明感を期待して装填している。そうこうするうちに,ようやく焚き木の追加がとまった。ピントをあわせなおし,ようやくシャッターを切ることができたのである。
 これで,撮りたかった1枚を撮ることができた。あとは,F-301にAi NIKKOR 28mm F2.8を装着し,境内を軽くもう一回りしてみよう。奥にある石段を登るとそこは二天門である。ここで,あらためてお線香を供え,シャッターを切った。
 そして,帰りのバスの時刻が近づいたので,叡福寺を後にする。このとき,時刻は12時ころ。わずか1時間ほどではあったが,けっこう満足できる「撮り初め」になった。


← 前のページ もくじ 次のページ →