撮影日記


2002年01月19日(土) 天気:くもり

キエフを持って安野に行った

1月26日に,写真を展示させてもらえる会場の下見に行くことになった。時間があったので,途中下車して写真を撮ることにした。降りてみたい駅はいくつかあったが,今回選んだ駅は,可部線「安野」駅。ここは,春に花が美しく,駅舎内にはネコが多く現れるようになっているなど,撮影場所として通う人も少なくないらしいくらいに被写体の多い駅である。
 その反面,私は安野駅の周辺をほとんど歩いていなかったりしている。今回は,少し駅の周辺を歩いてみることにした。

こんな日に連れ出したくなったカメラは,レンジファインダーの「キエフ」である。ちょうど,HP5が入っていたので,これを使い切ってしまおうと考えた。
 「安野」駅から,加計の方へ歩いていくと,道は登りになる。その脇に,最近つくられた思われる「案内標識」がある。矢印は「牛鬼の墓」「五輪塔群」などへの道を示していた。そこで,山道を登ってみることにする。
 道は,まあまあ歩ける状態には整備してあるようだ。そして,もともと古くからある道らしい。案内標識にしたがって歩いていくと,「牛鬼の墓」「石塁」などに出会う。

案内標識にしたがって道を進むと,山を下りる。さらに案内標識は,「五輪塔群」「渡場跡」を示している。
 「五輪塔群」は,畑のまん中にあった。そのそばには,他家の墓地があるわけで,近づくのに少し躊躇してしまう。これらの案内された場所には,それぞれ簡単な説明がついている。惜しむらくは,説明文が,その対象をきちんと説明していないものがあることだ。特にこの「五輪塔群」の説明文では,五輪塔そのものの説明もなければ,直接の由来も説明されていない。いや,そこに書いてあることは,その五輪塔群に関係あるかもしれないが,そのようなことが読み取れる文章になっていないとしか思えない。
 このように,少し不満が残る部分もあるが,ふらりと訪れて,軽く歩いて回るには手ごろな場所であると感じられた。2時間ほど,のんびりと休みながら歩けば,駅に戻るころには次に乗る列車がやって来るだろう。

案内標識にしたがって進むと,最後に河原にでる。そこは,かつて渡場であり,舟運の中継点だったという。河原から集落の方を見ると,どことなく尾道に似ているような気がしてきた。厳密なフレーミングにとらわれず,気の向くままに「キエフ」のシャッターを押してみた。


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