撮影日記


2001年08月18日(土) 天気:晴れ夕方にわか雨

路面電車のある町

お盆休みのシーズンももうすぐ終わる。来週からは,再び,朝夕の通勤ラッシュがはじまるだろう。私はたまたま,ラッシュとは関係のない生活をしているが,道路の混雑も激しくなるようだ。仕事の内容や,通勤路の関係で,マイカー通勤をしたり,仕事用のクルマで帰宅したりせざるを得ない人も少なくないだろう。
 広島市の中心部には,路面電車がある。規模としては,日本国内に現存するものとして最大のものになっている。電車の運賃は安く,車両も近代化され快適になった。超低床車は,いわゆるユニバーサルデザインによるもので,バリアフリーな環境づくりに貢献している。
 郊外では,パークアンドライド(最寄駅までクルマで行き,そこの駐車場にクルマをとめて,電車に乗り換えて都心へ向かう)の実験もすすめられている。都心へ乗り入れるクルマが少なくなることで,交通渋滞と環境破壊を少しでも緩和することが期待されている。

昭和40年代,道路交通の邪魔者と考えられた路面電車は,すでにアメリカの大都市には路面電車は存在しないという事実を根拠に,日本全国各地で廃止された。それらの町で,その後交通渋滞が緩和したかといえば,それは疑問が残るだけである。
 広島では,県警がヨーロッパの町では路面電車が活躍している事実をもとに,広島くらいの規模の町には,路面電車が最適であると確信して,路面電車の走りやすい環境を整えることに協力をしてきたとのことである。その結果,路面電車は広島市内の重要な交通機関になっている。
 地下鉄のない広島は,遅れた町だろうか?東京や大阪,仙台には地下鉄があるから,進んだ町なのだろうか?自分の都合だけでなく,(建設費用の償還を含めて)全体のことを考えるといったいどうだろうか,ぜひ考えていただきたい。

東京や大阪にも,路面電車は残っている。
 たしかに,中心部からは消えてしまったが,路面電車が適当な場所には,奇跡的に残ってしまっている。それは,少し静かな住宅地だったりする。
 大阪は,天王寺や恵美須町など市内南部から堺市にかけて,わりと長い路線が残っている。天王寺駅前から,住吉大社へ行ってみよう。電車はすべてワンマンカーで,降りるときに車内で運賃を払う。しかし,天王寺駅前では,きっぷを売っていた。それも,ペーパークラフト付である。運賃は200円で,このきっぷは300円だから,ペーパークラフト代は100円に相当する。

 
ペーパークラフトと電車の運転席
 

住吉大社の前を走る電車と,住吉大社内のようす

四天王寺や住吉大社などで,歴史を感じたあと,帝塚山界隈のオシャレなお店で,お茶でもすることが,この町の定番の過ごし方だろう。
 路面電車のある町は,洒落っ気がある。


← 前のページ もくじ 次のページ →