撮影日記


2001年08月16日(木) 天気:晴れ

標準ズームはコンパクトであるべし

長距離を歩くとき,カメラ機材はできるだけ小さく軽くしておきたい。しかし,標準レンズや広角レンズ1本では,少し物足りない。どうしても,2本,3本,あるいは5本,6本と,持っていきたくなるレンズが増えてしまう。すると,トータルの機材の重量が大きくなってしまい,思ったほど歩けなくなってしまう。
 そんなとき,ズームレンズは便利である。単焦点レンズ数本分のかわりをしてくれる。もっとも,周辺の描写,種種の収差,明るさなどの面で,単焦点レンズにくらべて不利な面も多いため,ズームレンズを嫌う人も少なくない。
 だから,ズームレンズは,軽くて小さいほど,「意味がある」と言えるだろう。

歩くときに,「これ1本」として選択するレンズは,「標準ズーム」と呼ばれるタイプのレンズが,もっとも適当だろう。標準ズームとは,一般的には,50mmをカバーする,2〜3倍程度のレンズを指している。このようなレンズは,小型で安価というのが,魅力だ。最近では,広角域から望遠域までをカバーする,高倍率ズームと呼ばれるものも普及しているが,大きさや性能の面で,どうしても不利な面がある。
 これまで,私が「標準ズーム」としてもっともよく使ってきたものは,AF Zoom-NIKKOR 35-70mm F3.3-4.5Sである。倍率的にはものたりない面もあるが,特別な切り替え操作などせずに,そのままズーム全域で0.35mまでの近接撮影ができるという,大きな魅力があった。また,小型軽量であることは,常用レンズとして大きなポイントである。
 しかし,このレンズの絞りが,最近粘ってきて,正しく使うことができなくなってきた。そこで,現在では中古価格が非常に安くなってきているので,このレンズをもう1本,購入しようと物色していた。そのとき,たまたま,AF Zoom-NIKKOR 24-50mm F3.3-4.5Sをかなり安く見つけてしまい,試しにこれを購入することにした。このレンズは,最短撮影距離が0.5mであることが物足りないが,広角側が24mmまで対応しているのがうれしい。これまで,24mmという画角のレンズを持っていなかったため,個人的には新しい視野を得たような気もしている。

標準ズームとしては,ほかに,new Zoom-NIKKOR 43-86mm F3.5, Ai Zoom-NIKKOR 35-70mm F3.5S, AF Zoom-NIKKOR 28-85mm F3.5-4.5S, Tokina AT-X270AF PRO (28-70mm F2.8)がある。それでも,AF Zoom-NIKKOR 35-70mm F3.3-4.5Sを常用レンズとしていたのは,これが小型軽量で寄ることができるレンズだからである。とくに,AF Zoom-NIKKOR 28-85mm F3.5-4.5SやTokina AT-X270AF PROを使うことが少ないのは,これらが大きく重いため,ズームレンズ最大のメリットである「機動力」を十分に生かせない場面があるからであろうと感じている。

左から,Ai Zoom-NIKKOR 35-70mm F3.5S, new Zoom-NIKKOR 43-86mm F3.5, AF Zoom-NIKKOR 35-70mm F3.3-4.5S, AF Zoom-NIKKOR 24-50mm F3.3-4.5S, AF Zoom-NIKKOR 28-85mm F3.5-4.5S, Tokina AT-X270AF PRO

AF Zoom-NIKKOR 35-70mm F3.3-4.5Sのコンパクトさが目立つ。また,new Zoom-NIKKOR 43-86mm F3.5は,当時としては画期的といってもよいくらいのコンパクトな標準ズームだったことだろう。


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