撮影日記


2001年08月13日(月) 天気:晴れ一時雨

可部線と太田川

連日の猛暑と少雨のため,関東地方など,水不足が心配されてる地域もあるようだ。広島は,幸いにも,取水制限などの事態には至っていない。
 広島市の飲み水は,主として太田川から取水されている。また,随所にダムや水路式の発電所があり,水はいろいろなことに利用されている。

太田川の利用の1つには,水運もあった。森林資源を下流の都市部へ運搬するために,また,下流の都市部からの物資を輸送するために,多くの舟が行き交っていたという。川は,上流部と下流部の,さまざまな交流の役割を担っていた。現在,治水や利用のために,ところどころ堰が設けられ,水量はダムで調整され,川を舟が行き交うことはない。それに変わるものとして,鉄道が敷設された。それが可部線である。
 可部線は,太田川の中流部から上流部にかけて,川に沿うように走る。車窓からは,美しい水の色,山の緑が楽しめる。また,今ごろの季節であれば,釣り人の姿もよく見られる。川の豊富な資源を実感できる。可部線は,並行する国道よりも一段高いところを走っているため,車窓の景色が美しい。終点の三段峡からディーゼルカーに乗ってみると,ところどころの集落に寄って止まりながら,川沿いを走る。
 可部の1つ手前の河戸駅付近からは,市街地になり,可部駅でディーゼルカーから電車に乗り換えるが,可部駅の次の中島駅を過ぎると,太田川を渡る。この風景も,非常に美しい。このあとしばらく,太田川は車窓から見えないので,太田川の存在を忘れてしまいそうであるが,横川駅の1つ手前,三滝駅が近づくと,再び太田川(放水路)に沿う。そして,三滝駅を過ぎてトンネルをくぐると,また川を渡る。可部線は,まさに上流部から下流部にかけて,太田川と一体になっているということも言えるだろう。

可部線に乗って,ちょっとだけ川を見に行ってみよう。
 広島駅方面から乗って,可部駅の次の河戸駅まで行ってみる。そこから20分ほど歩くと,現在,漁業協同組合の事務所として使われている,旧・亀山発電所の建物がある。この外壁には,過去の水害のときの浸水のあとが記録されている。また,川で釣りをする人の姿も目にすることができ,川について,いろいろと考えることもできるだろう。
 河戸駅を発着する列車は少ないが,ここから可部駅まで歩いても,さほど遠いわけではない。河戸駅→旧・亀山発電所→可部駅というコースは,2時間もあれば歩けるだろう。可部駅からは,電車の便も多いので,帰りの電車の時刻を気にする必要もない。軽い運動におすすめしたい。横川駅を13:52に発車する列車は,加計駅まで直通するディーゼルカーなので,これに乗って行けば,ちょっとした旅行気分も味わえるだろう。
 今回,新しく購入した小型ズームレンズで身軽に,と思ったが,結局望遠レンズなど欲張ってしまうのだった・・・・・。


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