撮影日記


2000年09月08日(金) 天気:くもり一時あめ

あやしいはがき

はがきが届いていた。表書きは手書きであるが,一見して事務的な印象を受けるはがきである。裏を見てみると,次のような意味のことが書かれていた。というか,印刷されていた(コピーのようである)。
・コンピュータのトラブルでお客様番号が変わっております。
  (旧番号と新番号)
・記念品の発送が遅れております。
・9月×日の×時までにお電話ください。

このはがきで,怪しいところを具体的に指摘すると,次のようになる。

  • ・差出人の住所や名称がどこにも記載されていない。会社のロゴ?のような不鮮明な図柄があるだけである。
  • ・「お客様番号」,「担当者氏名」は手書き文字であるが,このはがきの裏面全体は,コピーによりつくられたものである(個別に書かれているように装っているが,実際には複数の人に同一の「お客様番号」が伝えられる)。
  • ・指定の電話番号は東京03だが,消印は山口県内である。

    世間には,いろいろな「悪質商法」と呼ばれるものがあるが,このはがきは,一見しただけで「うさんくさい」ものである。おそらく,そこに記載された電話番号に電話することで,それから初めてなんらかのアクションがあるものと思うが,はたしてこんな稚拙な手口に「ひっかかる」人があるのかどうか,疑問である。

    インターネットを使っていると,多くの「宣伝メール」に悩まされることであろう。ダイレクトメールは,時として,こちらからアクションを起こす必要なく,非常に有効な情報をもたらしてくれることがある。ただし,それはこちらから「ダイレクトメールが欲しい」と要求した場合である。そうでなく,一方的に送られてくるダイレクトメールには,不快感以外の感情を持つことはない。
     そういうダイレクトメールの中に,ときどき,いわゆる「マネーゲーム」的なものがまじっている。これらはしばしば「ねずみ講ではない」ことを主張しているが,基本的に将来の「破綻」が見えている。それは,受け取った本人が各自判断すればいいことだから,その情報の価値を見抜くだけの観察力,洞察力は,情報社会を生きる上で,ぜひ身につけたい。これも,情報教育の中にとりいれられるべきことであろう(具体的にどのように教育するのかは,専門家の方におまかせしよう)。
     しかし,やっかいなのは,先述のような「うさんくさい」話を知人が持ってきたときではないだろうか?
     このような場合,断りきれずに,参加してしまうケースも少なくないらしい。

    もし,「これは危険だ」と感じたら,きちんとその判断理由を説明して,引き下がってもらうべきである。そのとき,話を持ってきた知人が「おまえは友達甲斐のないヤツだ」などと暴言を吐くことがあるかも知れない。
     そのような言葉におびえる必要はない。そのように「友情」を楯にするような相手は,友人としてつきあう価値はないと,勇気を持って判断していただきたい。
     「友情」は,「信頼」によって成立する関係である。「破綻」の危険がある,マネーゲームに強引に誘うことは,その「信頼」を踏みにじる行為であり,そのような行為を平気で行う人とは,関わりを持ちたくないものである。
     実社会同様,ネットワーク上にも,そのような「信頼を平気で踏みにじる」人は存在するだろう。「あまり深いつきあいをしなければ大丈夫だ」などと,安易に考えることは危険である。このような人を見抜くことも,情報社会を生きる上で,必要な能力であり,情報教育の内容となるべき事項であろう。


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