撮影日記


2000年06月04日(日) 天気:くもりのちはれ

棚田の風景

山間部の狭い地域に,階段状に田が切り開かれているところがある。かつては,食料増産のために,われわれの祖先たちが苦労して開発し,維持してきたものだろう。このような「棚田」は,風景としては非常に美しい。しかし,これを維持していくことは,機械化も難しいようで,かなり苦労があることは容易に察しがつく。
 平成11年7月に,全国のおよそ130ケ所の棚田が,「日本の棚田100選」として選定された。これは,ある一定以上の規模があり,風景として美しく,地域として維持や保全に取り組まれているようなことが条件になっているらしい。広島県内では,筒賀村の井仁地区が,「日本の棚田100選」に選定されている。

井仁地区は,加計の町の南西方向の山の中にある。地形図で見ると,全体に急峻な山地の中で,そこだけがやや傾斜が緩やかで少し盆地状になっている。集落は,国道から,3〜4km離れており,道も山の中の細い道で,交通条件はよくない。
 広島市内から向かうと,国道191号線を走り,可部線の田之尻駅のところから,山の中へ入っていく形になる。最初に訪れたときは,特に道標などもなかったが,今日,訪れてみると,「井仁棚田↑4km」などの道標が用意されていた。最近,NHKテレビで紹介されたらしいが,そのせいで,訪問者が急激に増えたのであろう。

井仁の集落は,地形図上では,周囲の山地に比べてかなり緩やかな傾斜のところにあるように見える。しかし,周囲よりは緩やか,という程度であって,実際はかなりの傾斜地だ。

Mamiya Universal Press, Mamiya-sekor 250mm F5, POLAROID type 87

Mamiya Universal Press, Mamiya-sekor 75mm F5.6, POLAROID type 87

1枚目の写真は,集落を通って,天上山(972.5m)方面へ登る道の途中(南西側)から撮ったものである。ここは,棚田全体が見渡せる,よい場所なのだが,撮影にはあまり適していないかも知れない。なぜならば,電線があまりに多いのである。さらに,この画面の少し下には,テレビの受信アンテナもある。
 2枚目は,田之尻側から入ってくる道(東側)から撮ったものだ。こちら側の方が,道路も比較的幅があり,撮りやすいだろう。
 最近,何度か訪れているが,とりあえずロケハンというか,下見の段階である。ここも,各季節ごとに訪れてみたいような場所である。たとえば,田植え前の,田の水面に反射する山の姿,田植えや刈り入れのようす,ヒガンバナも咲くだろうか,そして雪景色・・・・・・さらに,夜明け前や日没直後の光もおもしろいだろう。
 秋には,筒賀神社の大イチョウとかけもちで訪問するのも悪くなさそうだ。


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