撮影日記


2000年01月23日(日) 天気:あめ

35mmに凝ってます

20mmという,超広角レンズで遊んでいるうちに,35mmや28mmといったクラスのレンズの存在を忘れかけていた。
 しかし,あるときに,新潟地震の地割れを撮った報道写真を見た。それは,非常に強烈な印象を与えてくれたが,35mmレンズで撮ったものだったのだ。それ以来,35mmレンズは,立派な広角レンズであることを改めて認識するようになり,できるだけ意識して使うようにしていた。
 しかし,そんな取り組みをしている最中だったこの春,平気で14mmレンズを買った。やはり安易に,過激な路線へなびいてしまいがちである(笑)

広角レンズを使う「定石」は,やはり忘れてはいけない。その1つは,被写体に「寄る」ことである。遠近感が誇張されるレンズだから,「寄る」ことで,それをさらに誇張するのは,1つの絵づくりのパターンである。
 また,広角レンズでは「ボケ」ないと誤解しているケースも,あるようだ。たしかに,広角レンズでは,背景は遠近感により小さくなってしまうので,ボケは目立ちにくい。また,F8〜F11くらいに絞ると,無限遠から2mくらいまで,被写界深度にはいってしまう。それは事実だ。しかし,被写体に50cmくらいまで近づいて,F2〜F2.8くらいで実際に撮ってみよう。それでも,「ボケない」といえるだろうか?
 誇張された遠近感の中で,ボケの中に主となる被写体が浮かび上がってくるとき,広角レンズならではの,迫力ある絵が得られる。もちろん,これがすべてではない。いくつかある撮り方の1つにすぎない。

今,35mmレンズないし,35mmをカバーするズームレンズは,何本か持っている。この中では,やはり,Ai NIKKOR 35mm F2Sがよい。30cmまで寄れるし,明るさもF2なら十分である。コンパクトで,ニッコールらしい先鋭な描写もよい。

Ai NIKKOR 35mm F2Nikon F3, Ai NIKKOR 35mm F2S, EB-2

最近,ひょんなことから,PC-NIKKOR 35mm F3.5というレンズを入手した。明るさはF3.5と暗く,絞りはプリセット式なので,使いやすいとは言えない。しかし,このレンズは,「シフトアオリ」のできるレンズなのだ。遠近感を矯正したり,逆に誇張したりできるのである。このレンズも,最短撮影距離は30cmだ。
 ますます,35mmレンズによる撮影が,楽しくなりそうである。


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