撮影日記


2000年01月22日(土) 天気:はれときどきくもり

標準レンズって何だ?

一般に,「標準レンズ」と呼ばれるレンズがある。主に,焦点距離が50mmのレンズを指すようで,58mmくらいまでのものも,「標準レンズ」として扱われるようだ。
 ところで,「標準レンズ」って,いったい何だろう?ライカA型に搭載されたレンズの焦点距離が50mmだったことから,ずっと引きずっている習慣的な呼称に過ぎない,という説も聞く。現実には,50mmという焦点距離には特に意味がなく,あまり無理なく安価に設計できる焦点距離域で,キリのよい数字だった,というくらいの理由ではないか,と想像しているのだが,どうだろう?

しかし,これを「標準レンズ」と呼ぶだけあってか,いろいろな場面を無難にこなしやすいレンズである,ということは言える。ところで,私と同世代の方は,「標準レンズ」1本で,写真をはじめた方が多いと思う。ほとんどの一眼レフがマニュアル機の時代だったから,最初のうちは,使い方に慣れることが重要だったのではないだろうか。やがて,「標準レンズ」だけで,いろいろな表現にチャレンジし,「望遠レンズ」や「広角レンズ」があったらなぁ・・・と思うようになったはずだ。
 そして,なんらかの交換レンズを手に入れたことだろう。焦点距離の異なるレンズで見た世界は新鮮で,なにを撮っても絵になりそうに思えたことだろう。しかし,それだけの上っ面な感動には,すぐに慣れてしまう。新幹線がまだ東京と新大阪の間にしかなかったころには,人は最高速度210km/hという速さに感動していたとのことだが,今では500系の最高速度300km/hにも慣れきってしまっている。交換レンズも同じで,普通の広角レンズや望遠レンズに飽き足らず,超広角レンズや超望遠レンズを体験しようとしたことだろう。

私も,その道はしっかりと歩んでいる。
 広角レンズについて,20mmや14mmと,次第に過激な描写を求めるようになったものだ。

AF NIKKOR 20mm F2.8SNikon F3, AF NIKKOR 20mm F2.8S, EB-2

だけど,50mmクラスのレンズを「標準レンズ」と呼ぶのは,カタログ上の便宜的なものに過ぎないことは確かだ。何mmレンズが本当に「標準」なのかは,使う人,使う場面によって,変るものだろう。だが,50mmレンズは1本持っておいても悪くない。F1.4やF1.8などの,大口径比のレンズが安価に買えるのは,50mmクラスだけだ。


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