撮影日記


1999年08月04日(水) 天気:はれ

もっと素敵にトリミング

今,単に「写真を撮る」という場合,使うフィルムは「カラーネガ」であることがもっとも一般的だろう。カラーネガフィルムは種類も多く,価格も安いものがあり,ラボのスピード仕上げや格安サービスなどが充実している。また,写真をなにかの「記念」に撮ることが多いのだから,どうせならカラーの方がいい。思い出が色鮮やかに蘇るというものだ。
 しかし,写真を趣味とする人の中には,「カラーポジ」あるいは「モノクロ」による撮影を好む人もいる。もちろん,「カラーネガ」にこだわる人もいる。理由はそれぞれあるだろう。ただ,「カラーポジ」にこだわる人は,ラボのプリント技師の手を経ることなく「絵」が選られることを重視しているのだと思う。特に露出の微妙なコントロールが楽しみやすいというものだ。
 数10年前は,まだカラーフィルムもカラープリントも高価だった。そこで,「モノクロ」フィルムはごく一般的に使われていた。今では,むしろモノクロの方が高いことがあるのだから,おもしろい。

今,あえてモノクロフィルムを使う人は,どういう理由によるのだろうか。モノクロ写真には独自の「味」があるので,それを楽しんでいる人もあるだろう。しかし,モノクロの現像や焼き付けは,カラーに比較して取っ付きやすいという面がある(それだけに,奥も深いのだが)。つまり,モノクロにこだわっている人は,自分で現像し,焼き付けする過程を経て,「絵」を「作り上げる」という手法にチャレンジしていると言える。
 自分で現像,焼き付けをするメリットはどこにあるのだろうか。うまくやれば,ランニングコストをかなりおさえられるということを重視する人もあるだろう。しかし,焼き付けの過程において,構図を再整理し,コントラストなどをコントロールしてさまざまな「表現」を行えるというメリットが大きいと思う。
 特に,トリミングは積極的におこなってもいいと思う。下に,ほとんどトリミングをしていない写真と,トリミングを行った写真を並べてみた。この2点の印象の違いを確認してほしい。

もっとも,自分でモノクロ現像や焼き付けをしなくても,トリミングはおこなえる。プリントを発注するときに,ラボにトリミングの指定をすればいいだけだ。ただ,サービスサイズよりは高い料金を請求されることだろうし,納期にも多少時間がかかるかもしれない。
 また,スキャナで写真をパソコンに取り込んで,画像処理ソフトウェアでトリミングをおこない,プリンタ出力しても十分である。うまくトリミングをして,あなたのセンスを活かした「絵」を作り上げてほしい。


EXA, JENA T 50mm F2.8, R1 filter

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