撮影日記


1999年07月31日(土) 天気:曇ときどき晴

ボックスカメラは嫌いですか?

昨年末,ディスクフィルムの製造販売が終了した。今年末には126カートリッジフィルムの製造販売が終了するらしい。カメラ誕生後,さまざまな規格のフィルムが登場しては消えていった。今,一般的に入手できるものは,135(35mm判),120および220(ブローニー判),110(ポケット判)など,ごくわずかの種類である。しかし,35mm判とブローニー判の規格が何10年にもわたって維持されていることは注目に値する。このおかげで,古いカメラが,今でも現役で使えることが多いのだから。

先述のディスクフィルムや126カートリッジフィルムを使うカメラは,日本ではどちらかというとあまり普及しなかった。日本で普及しなかったタイプのカメラに,「ボックスカメラ」というものがある。右のように,まさに箱である。このカメラはコダック製の「ブローニー・ターゲットSIX−16」という名称で1946年ころのものである。カメラ前面および内部の枠は金属製だが,外箱は,ボール紙に革(ビニル?)を貼ったものである。これに単玉のレンズ(およそF14,このカメラには絞りがあり,絞るとおよそF20)と単速のシャッター(およそ1/50秒とB)がついている。
 この種のカメラは,欧米では20世紀前半に流行し,王侯貴族から一般庶民にいたるまで,幅広い層で愛用されたタイプのカメラらしいが,なぜか日本ではほとんど流行しなかったらしい。
 さて,このカメラで使用するフィルムは「616」というロールフィルムであるが,このフィルムもおよそ20年前に絶版になったらしい。「616」の画面サイズはおよそ10.5cm×6.5cmで,6×9判より一回り大きい。大きいということは,簡単な細工で120フィルムが使えるわけだ。

そして,撮影したのが下の写真である。
 シャッター速度や絞りから考えれば,感度100のフィルムで,晴れの日なら十分に写るはずである。レンズは単玉のせいか,周辺部がボケボケである。そこがなんとなく写真にノスタルジックな雰囲気を与えてくれて,おもしろい。センスのある方なら,これを利用しておもしろい作品が作れるんじゃないかな?
 まあ,そういう難しいことはヌキにして,たまには気分を変えて,こんな簡便なカメラを持って街を歩くっていうのも,おもしろいだろう。


KODAK BROWNIE TARGET SIX-16, NEOPAN SS, GEKKO VR-3


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