撮影日記


1998年09月26日(土) 天気:雨が降りそうな曇り

コンパクトカメラもおもしろい
〜ズームコンパクトカメラ

最近のコンパクトカメラは,ズームレンズを搭載したものが多くなっている。あまり知られていないと思うが,フラッシュ内蔵コンパクトカメラで初めてズームレンズを搭載した機種は,1979年に発売された「フラッシュフジカズーム」というカメラであった。ただし,このカメラはAFではなく,目測でのピント調整が必要だった。レンズは,フジノン37mm〜55mm F3.8 (8群8枚)だが,ズームに連動したファインダーをもっていた。

2焦点レンズカメラと同様に,110カメラやハーフサイズカメラなどではズームレンズが比較的早期に実現されていた。35mm判フルサイズのフルオートAFカメラではじめてズームレンズを搭載したカメラは,ペンタックス「ズーム70」(1987)であると思われる。
 このころ,ズームコンパクトカメラは,各社のコンパクトカメラシリーズの上位機種として位置づけられていたようだ。中には極めて「多機能」なものがあった。たとえば,オリンパス「IZM300」(1988),コニカ「Z-up80」(1989)などが登場した。このような「多機能ズームコンパクトカメラ」の一部は一眼レフ方式を採用し,チノン「ジェネシス」(1988),リコー「MIRAI」(1989),そしてオリンパスLシリーズ(1991〜)という。いわゆるニューコンセプトカメラの流れをつくった。
 初期のズームコンパクトカメラの多機能性は,私が入手している,コニカ「Z-up80」(1989)にも顕著にあらわれている。「Z-up80」は,フラッシュ発光制御(オート,発光禁止,強制発光),ワインダー切りかえ(1コマ,連写),多重露出,長時間露光,インターバルタイマーなどの,システム一眼レフカメラ上級機並みの機能を持っている。このカメラはその後,「アイボーグ」(1992)というとんでもないカメラに進化?した。「アイボーグ」は,たとえ動作しないジャンク品であっても,1つのオブジェとしてゲットしておきたい機種である。

7回にわたって,1980年代のコンパクトカメラの変遷について考察してみたが,いかがだっただろうか。最初にも書いたと思うが,この時代のコンパクトカメラは,今,非常に安価に入手可能である。ちゃんと動作するものでも,ジャンク扱いで売られていたりするし,故障していたとしても簡単に直せる場合がある。ぜひ,自分なりに気に入った1台を見つけて,ずっと愛用してあげてほしい。「誰でも写せる」ために,さまざまな新機能が現れていた時期であり,特徴ある機種が多いのだ。


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