撮影日記


1998年09月23日(水・祝) 天気:くもり

コンパクトカメラもおもしろい
〜防水カメラ

カメラに限らず,機械類は「水」に弱い。したがって,水中などで撮影をおこなうには,特別な装置が必要である。
 普通のカメラを水中で使うためには,専用の水中ハウジングなどと呼ばれるケースの中に,カメラをセットする。コンパクトカメラにも,ハウジングが用意されている機種があった。たとえば,リコー「AD-1」(1980)用の「リコーマリーンAD」や「コニカC35」シリーズ用の水中ハウジングがあった。また,リコー「オートハーフ」用のハウジングも,それ以前に発売されていた。
 水中撮影用につくられたカメラもある。「ニコノス」がもっとも有名であろう。これは,そのままで水深50mまでの撮影に対応する。

コンパクトカメラは,「どこかへ遊びに行くときの記念写真用」という使い方が多いはずだ。海へ遊びに行くことだってあるだろう。したがって,コンパクトカメラには防水性能が期待されてくる。
 はじめての防水タイプの35mm判コンパクトカメラは「HD-1フジカ」(1980)らしい。さらに,フラッシュを内蔵した「HD-Sフジカ」(1980)が発売される。これらの機種ではピント調整は目測式だが,生活防水機能がウリで,「カメラが汚れたら水で洗ってください」などと広告に謳われている。また,生活防水機構と言いながら,多少は潜って使っても大丈夫だったようだ。さらにフジカ「HD-Mタフガイ」(1985)が発売された。これは水深2mまでの水中撮影が保証されている。
 水中撮影用可能なコンパクトカメラとしては,ハニメックス「アンヒビアン」(1984)が先に登場している。水深45mまでの撮影に対応した本格派だが,非常に大きな筐体で,「コンパクトカメラ」とは言いがたい。
 水中では,赤外線を使ったアクティブ式AFが使えない。そのためこれらのカメラのピント調節は目測式であった。

AF機に防水機構が採用されたのは,オリンパス「ぬれてもピカソ」(1985)が最初である。これは日常生活防水であった。さらに,水中撮影も可能な機種として,ニコン「ピカイチカリブ」(1986)が登場する。このカメラは水深3mまでの撮影に対応したAF機であるが,AFは陸上専用であり,水中では目測式となる。したがって,軍艦部にMF用のダイアルが乗った一風変わった機種となった。
 防水機構をもったカメラは,このあとも続々と登場してくる。水中撮影が可能な機種としては,キヤノン「アクティ」(1987)などがあり,日常生活防水機としては,チノン「スプラッシュ」(1987),フジカ「HD-Rドン」(1987),キョウセラ「Tスコープ」(1988)などがあった。コニカからも「MANBOW」(1988),「全天候型望遠王」(1988)が登場し,今でもシリーズが続いている「現場監督」(1989)が発売された。


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