撮影日記


1998年09月13日(日) 天気:はれ

ジャンク漁りはクセになりそう

以前から,二重像合致式連動距離計内蔵の小型カメラが欲しかった。そして,最近いろいろな本の影響を受けて,「ソ連(ロシア)製のライカまたはコンタックスもどき」(以下,ここでは単に「ロシアカメラ」と呼ぶ)が欲しいという欲求が高まっている。ライカそのもの(M型あるいはバルナック型)を買うつもりはない。これらが不当に高価であることも大きな問題だが,悪質な「ライカおやじ」と同レベルに見られることがイヤだからである。

今日は,夕方から平和公園で,夕焼けに浮かぶ原爆ドームのシルエットを撮る予定であった。そこで日中は,ロシアカメラの情報を仕入れるために,中古カメラ店を巡回することにした。まず考えられる行き先は,「日進堂」しかないだろう。表のショーウィンドウにはロシアカメラは並んでいないことが多いが,店内にはつねに何台か見かけるからである。
 ところが,「日進堂」は「臨時休業」であった(笑)。もしかしたら,大阪の松坂屋でやっている「中古カメラ市」に仕入れに行っているのかもしれない笑。
 他に,ロシアカメラなど怪しげなカメラが出てくる店と言うと「大洲カメラ」であるが,ここはたしか日曜日定休である。結局,的場町界隈で,ロシアカメラを見かけることはできなかったのだ。

これは,「ロシアカメラなんか買ってはいけない」という天の定めに相違ない。とっとと帰って,予定通り,平和公園で夕焼けに浮かぶ原爆ドームのシルエットを撮影する準備をする方がよさそうだ。
 とはいいながら,まだまだ時間はたっぷりある。久しぶりに「カメラのドイ」でも覗いてみることにした。先日,「カメラのキタムラ」高取店でジャンクかごから「ニコンピカイチテレクォーツデート」を800円で発掘した興奮が忘れられず,「カメラのドイ」でもまずはジャンクかごを漁ってみた。

すると,お宝が出てくる出てくる。
 結局,「マミヤU」と「ニコンミニ」を発掘した。計1050円也−。今日は,店頭での動作チェックなんかしていない。ダメならダメでいいさという割り切り。
 帰宅してから,動作をチェック。不具合のあるところを分解して直したら,ちゃんと動くのだ。空が赤くなるまでは,この2台でスナップして時間をつぶそう!

今回,「マミヤU」と「ニコンミニ」のテスト撮影には,すなおにカラーネガフィルムを使った。明日(9/14)の夕方には仕上がってくるはずだ。どういう結果が出るか,楽しみである。

動作チェックと修復の過程について,まとめておく。

「ニコンミニ」(AF600)

この機種は,ゲゲゲの鬼太郎の目玉おやじが広告に使われていたから,印象に残っている方も多いだろう。沈胴式28mm F3.5レンズを搭載した,35mm判フルサイズフルオートカメラとして,発売当時世界最小最軽量のカメラだったという。
 店頭では「不良 前カバー 500円」という表記がされていた。ここでいう「前カバー」とは,鏡胴の繰り出しに連動して開閉するレンズカバーのことである。そして,記載どおり,カバーは半分開いた状態で止まっていた。
 本来ならある程度の動作チェックをしたいところであるが,そのジャンクかごの中には,このカメラに必要な電池(CR123A)がなかったので,その場でのチェックはあきらめた。不良個所が明記されているので,他に不良個所がないことを期待するのみである。また,カバーが開かないというだけなら,カバーを取り去ってしまえば撮影に支障はないはずだ。

買って帰り,さっそく電池を入れてみる。なるほど,電源をONにすると鏡胴は繰り出してくるが,カバーが連動して開かない。無理矢理開けることはできるようだが,電源をOFFにすると,鏡胴が引っこむと同時にカバーが閉まってしまう。しかし,他の機能はちゃんと動いているようなので,カバーを取り去ってしまうことにした。
 鏡胴の両側にある小さなネジをはずすと,カバー部分がすっぽりとはずれた。調べてみると,鏡胴の繰り出しに連動してちゃんと動いているレバーが見える。これがカバーを動かすようだ。ここが動いているのにカバーが開かないのはどうしたことだろうか。
 このカバーを「開く」側にひっぱるバネが外れているのだ。外れているところをきちんとひっかけてやって元どおり組み立てると,カバーはきちんと開閉するようになったのである。

「マミヤU」

マミヤが35mm判カメラをつくっていた末期の製品である。オリンパスXAシリーズにも通じるユニークなデザインのカメラで,レンズカバーを開閉することで電源をON/OFFするようになっている。
 ユニークなデザインはいいのだが,シャッターボタンがよくない。ここは本来,厚手の黄色いゴムが貼られているのだが,それが経年変化で溶けてどろどろになってこびりついているのである。この部分が原形をとどめていれば,非常にカッコイイのだが,溶けたままでは極めて「じゃま」である。
 その前に,動作チェックだ。このカメラには単4乾電池2本を使う。電池を入れてみるが,シャッターもフラッシュも反応しない。完全に壊れていたのだろうか?

とはいえ,シャッターボタンにこびりついたどろどろのゴムが気持ち悪くて,本気でシャッターボタンが押せないのである。とりあえず,この部分を掃除することにした。軍艦部のネジ3本をはずして,裏側からも掃除するのだ。
 苦労の末,掃除は完了した。原形では黄色いゴムだった部分に,黒いビニルを貼ってあげた。ついでに,電池の接点も掃除して,さて,改めて動作チェックだ。
 今度は,シャッターがちゃんと反応した。AEもはたらいているようだ。フラッシュは,ちょっと接触が悪いようだが,ごまかせば使える!


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