撮影日記


1998年05月06日(火) 天気:くもり

図鑑カメラ100年

今年もゴールデンウィークが過ぎ去った。GWなど関係ないという方もいらっしゃるかもしれないが,私は十分に楽しませていただいた。今年はカレンダーの関係で短期間ではあったが,かえって能率よく過ごしたんじゃないかと思う。
 5月3日,午後は中古カメラ店めぐりとなったが,さすがに大阪にはお店が多い。そして,いろいろなモノがある。さて,いろいろあるお店のなかでも「おもしろいモノ」があるのは,やはり八百富のクラカメ店(勝手にこう呼んでいるのだが・・・)であろう。
 そこに,こんな本がおいてあった。タイトルは「図鑑カメラ100年」という。発行は京都書院,文庫サイズで全ページ4色刷の256ページ,その割には安く,たったの1000円である。千葉に住むコレクターの所有するカメラ約300台が紹介されている。組み立て暗箱からリコーオートハーフ,はてはレンズ付きフィルムまで,およそカメラと呼ばれるすべての種類を網羅している。
 写真,印刷,製本などはあまり悪くないが,内容的にはかなり雑な印象を受ける。たとえば,カメラ個々のキャプションの形式がまったく統一されていない。リコーフレックスのように有名な国産品にわざわざ「(Made in) Japan」というキャプションがついている。ところが,同じリコーフレックスでも「Japan」というキャプションがついていないものもある。また,取り上げる機種の選定に,なにも方針がないとしか思えない。
 また,説明文やキャプションの内容,用語の使い方などは,とてもまともに推敲されているとは思えないし,年代についても記載があったりなかったり,まともに調査されたような気配すらない。
 「図鑑カメラ100年」は,いろいろなカメラの写真が掲載されているという点ではたしかに「興味深い」本ではある。しかし,この本のつくりははっきり言って「雑」であり,読んでいて「不快」になることもある。著者が写真家でもなく,評論家でもなく,単なるコレクターであることが原因だとは思いたくないが。


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