撮影日記


1998年04月19日(日) 天気:晴れ

「鉄」を撮るとき
マクロレンズは必須

数日前,衝撃のニュースがあった。JRが可部線の一部「可部−三段峡」の廃止を検討しているというのだ。早ければ,来年の夏には廃止になるらしい。広島県では,意外とJR(国鉄)線が廃止になっていない。廃止になったのは宇品線くらいではないだろうか。
 可部線は,広島市内の横川駅から三段峡駅までを結ぶ線である。横川−可部は周辺に住宅が多く,途中,アストラムライン(市内中心部と郊外を結ぶ新交通システム。運賃が高いのが欠点)との連絡があったり,大型店舗が多数出店している地区があったりして,この区間の利用者はかなり多くなっているらしい。単線で電車はおもに2両編成であるが,多いときで10分間隔で走っている。
 一方の,可部−三段峡は,太田川に沿って上流へ走っている。途中に小さな集落が多数あるものの,利用者が非常に少ない。しかし,車窓からの風景はいい。太田川の景色など,クルマではゆっくり眺められない。

そこで,今年のテーマは「可部線」にした。もともと,今年は鉄道を撮ろうと考えていたのだが。
 さっそく,今日は加計へ行ってみた。と言うか,国道191号線を走りながらどこか撮影できそうなところはないかな,と考えているうちに加計まで行ってしまった感じである。
 加計の町は,三段峡方面に行くときによく通る(中国道を使わない場合)。しかし,そこにクルマを止めてじっくりと撮るのははじめてである。加計の駅前に駐車場があり,とりあえずそこを起点に撮影体制に入った。
 時刻表を確認すると,可部行き列車が11時35分発,三段峡行きが14時05分着,すれ違いの可部行きが14時15分発なので,この3本をターゲットにした。つまり,12時,13時台には列車がないのだ!これでは利用したくても利用できないというものだろう。

加計駅のそばに,「月ケ瀬公園」という公園がある。サツキが美しいが,あまり人が来ていない。そこに三脚を立てて列車を待った。Mamiya Universal PressにMamiya-sekor 250mm F5を三脚にセットし,サブとしてNikon F3にAi NIKKOR 200mm F4をつけて構えた(こちらは手持ち)。まもなく11時35分発の列車がくる。しゃかしゃか,Mamiya Universal Pressは1発だけ,Nikon F3は数発切った。鉄道,とくにローカル線を撮るときの難しさはこれなんだな,1時間待ってチャンスは一瞬。
 さて,次の列車までの待ち時間がヒマである。ふとみると,周辺にはサツキ以外にちいさな花がいろいろと咲いている。こういうときには「ヒマつぶし」として接写の装備でも用意するべきだったと気がついたが,すでに遅し。


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