撮影日記


1997年09月30日(火) 天気:はれぇ

距離計カメラ

昨夜,現像したフィルムが乾いていたので,じっくりと見ていた。このフィルムは,日曜日にMamiya UNIVERSAL PRESSで撮影したT-MAX 100である。9月28日の日記で書いたように,自分で調整し直した二重像合致式距離計がどのくらい使いものになるかの確認のためである。
 二重像合致式距離計の使い心地は先述した通り。1本ぽつんと立つ街灯のようなものならば実にあわせやすい。しかし,草むらのなかのヒガンバナ,松の枝やフェンスなどにピントを合わせるのは至難の技である。よく,ライカおやじどもが「ライカは二重像合致式距離計だからいいんだ」と言う。たしかにライカの距離計は非常に精密につくられているのだろう。それは工業製品を越えて一種の芸術作品といえるかもしれない。彼らはさらに「二重像合致式距離計はピント合わせがしやすいよ」という。
 たしかにそういう「場合」もあると思う。しかし,他の方式にくらべて常に有利ではない。むしろ弱点の方が多いのではないだろうか。そう,「慣れ」のようなものでは解決しない弱点が。もしあなたが,「ピント合わせがしやすいのではないか」と期待して二重像合致式距離計を搭載したカメラを買おうと思っているなら,慎重になっていただきたい。とりあえずは古いコンパクトカメラなどを利用して(中古カメラ店でさがせば,10,000円前後で見つかると思う),二重像合致式距離計がほんとうに自分にとって使いやすいものかどうかを確かめてからでも遅くないだろう。
 見栄っぱりなライカおやじどもの「二重像合致式距離計礼賛」は,先人たちからの「受け売り」によって,勝手な妄想を抱いての発言の可能性があることには要注意である。
 さて,Mamiya UNVERSAL PRESSの二重像合致式距離計であるが,とにかくピントあわせのしにくい被写体があることは事実である。しかも,それは普通の一眼レフカメラであればむしろピントの非常に合わせやすい被写体なのだ。それでも,メガネをかけ,なんとか距離計でピントを合わせた。そして,現像した結果である……うん,まあなんとか実用になっているのかな?という感じであった。広角から標準系のレンズでスナップ的に撮るくらいなら,十分に使えるだろう。これで,また1つの撮影スタイルができるかな。


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